開幕まで1カ月を切った米メジャーリーグ。イチローの凱旋出場はあるのか、打者専念の大谷翔平はどんな記録を残すのか、今年から挑戦の菊池雄星の投球は通じるのか──と日本人の活躍だけでも見どころがいっぱいだが、日本球界で、そしてメジャーで華々しい活躍をしながら悲しき最期を遂げた選手がいる。
ロッテや阪神、そしてメジャーリーグでは名門ヤンキースなどで活躍した、伊良部秀輝投手である。
「1997年にヤンキース入りし、98年にはワールドシリーズ制覇貢献。アジア人として初めてチャンピオンリングを獲得しました。一方で暴れん坊キャラとしても有名で、球団や監督との揉め事も少なくありませんでしたが、あの名門チームでローテーションの一角を任された実力は、まさにワールドクラスでした」(スポーツ紙記者)
そんな伊良部さんが、LAの自宅で首を吊って死亡しているのが発見されたのは、11年7月のことだった。
「引退直後にうどん店などをオープンさせるも、これを軌道に乗せることができずに家族とも別居。あの大きな体をもてあますように寂しい日々を送っていたそうです。あげく、08年には大阪のガールズバーで暴行事件を起こして逮捕(不起訴処分)。10年にも、LA近郊で飲酒運転の疑いで逮捕されています。ただ、結局どこからもオファーは来なかったものの、最後まで野球に携わる仕事に就くことを強く望んでいたといいます」(前出・スポーツ紙記者)
野球ファンを、そしてメジャーを驚かせた、あの豪快な投球の記憶よ永遠に。
(露口正義)