だが、NHKと相撲協会が危惧するのは、貴乃花の今夏の政治家転身だ。貴乃花が参院議員になれば、相撲協会とのパワーバランスは一気に変わるが、現状では出馬についてはトーンダウンしているという。
「昨年来の出馬騒動に対しては、後見人である川淵三郎氏にも相談しているようだ。ただ貴乃花自身があまり乗り気でないのは事実のようで、最終的には川淵氏に一任されている状況。ただ、川淵氏自身もあまり積極的に政治家転身を薦めておらず、むしろ昨年12月と今年1月に東大で講義させたように、相撲道に邁進してもらいたいという考えがある。そのあたりの状況もNHK側はつかんでいるようで、このタイミングで積極的な貴乃花獲得に動きだした、ということのようです」(相撲ジャーナリスト)
さらにここにきて、貴乃花と相撲協会の関係が一気に好転する可能性もある。
「来年3月に開催される相撲協会の理事長選で、八角親方の6選は厳しい公算です。今年の理事選でも事実上の一門制が崩壊したことで、今後はますます票固めが難しくなる。ましてや、八角理事長体制が崩壊すれば、芝田山親方は理事の座すら危うくなる。協会内にはいまだに潜在的な貴シンパはいますから、理事長選の結果しだいでは意外に早く貴乃花の名誉回復が認められることもありえます」(相撲ジャーナリスト)
相撲協会公認の解説者として、金星街道を驀進するか。あとは貴乃花本人の決断しだいのようだ。