3月23日にさいたまスーパーアリーナで行われた「フィギュアスケート世界選手権」でみごとな復活の演技を披露したものの、さらに上回る完璧すぎる滑りを披露したネイサン・チェン(米国)の前に2位に終わってしまった羽生結弦選手。負けたとはいえ、その演技にファンは惜しみない拍手を贈り、次での完全復活に期待を寄せて大会は終わった…と思ったやさき、羽生選手の発言が物議を醸してしまったようだ。
「羽生選手はテレビのインタビューに『負けは負けっていう意味しかないので。自分にとっては“負けは死も同然”と思っているので。本当、勝ちたいです』と答えました。自他ともに認める世界トップ選手としての『悔しさ』も『勝ちたいという気持ち』もとってもよく伝わりました。熱烈な羽生ファンもそんな彼にエールを送っていますが、一部のフィギュアファンたちからは『死も同然』という発言が、いささか唐突で、引っ掛かったようですね。相手が完璧だったことでの敗北だった点もありますが、それにしても“死”という言葉を使ってしまう羽生に、『死はそんな軽いもんじゃないと思う』、さらには『自分に酔いすぎ』とまで、珍しく苦言に近いコメントがネット上に見られたんですよ」(女性誌ライター)
本人いわく、あくまで「自分にとって」。しかし、羽生選手ほどのアスリートの発言はそれだけ影響力があると言わざるを得ない。実は、1年ほど前、彼のプロデュースしたアイスショーを放送した番組内でも、メディアに振り回された時期について「何回も死のうと思った」と告白。この時も、“死”という言葉を使ってしまったことに、ネット上には一部からの疑問の声があったが…。
もちろん競技に“命をかけて”取り組んでいるということなのだろう。が、大会直後の興奮状態も手伝ってか悲壮感さえ漂わせた言葉遣いに違和感を覚えたファンもいたようだ。
もっとも一夜明けた24日には、報道陣に「また原点に戻れた。強い相手を見た時に沸き立つようなゾワッとする感覚をもっと味わいつつ、そのうえで勝ちたいと思えた」と、明るく前向きに語った羽生選手。さらなる飛躍を願ってやまない。
(小机かをる)