フィギュアスケートの羽生結弦選手のファンは、今や世界規模。試合となると開催地がどこの国でも日本のファンは大挙して押し寄せるが、現地、そして近隣国からも大勢のファンが足を運ぶという。時には、ファンのマナーが問題視されることもあり、2018GPシリーズ・ロシア大会では、羽生選手を応援する中国のファンが、マナーの悪いファンに憤慨してツイートし、それに共感する日本のファンが続出したという。
「ロシア大会には、中国のファンもたくさん応援に駆けつけたようです。あるファンは、みんなで応援しようと羽生選手の名前などを書いた手作りのバナーやプラカードをたくさん作って、周りの観客に配ったそうです。それだけなら世界のファンが一つになって応援するという美しい話で終わるのですが、一部のファンがそのプラカードを持って羽生選手のホテルに押しかけ、出入りする羽生選手を待ち続けたのだそうです」(スポーツライター)
暴走するファンに苦言を呈したのは、ほかでもないこのプラカードを作ったファン。ホテルに押しかけるのはマナー違反だと訴え、しかも「そこにせっかく頑張って作ったプラカードを持っていくのはやめてほしい」「疲れている羽生選手を邪魔しないで、そっとしてあげてほしい」「そのために作ったのではない」と、声をあげたのだという。その意見には、日本のファンも共感の意を示している。
「ロシア大会では、羽生選手の警護にロシア側が専属の警備員を同行させたり、宿泊先のホテルに警備のスポットを設けたりと力を入れていました。実は、羽生選手のファンの間では“仙台ルール”というものがあります。始まりは2014年に羽生選手が手術をして仙台で療養をしていた時に、街で羽生選手を見かけても声をかけない、というものなのですが、今回の騒動以前から、ファンの間では“仙台ルール”を発展させた応援マナーを作ったらいいのではという声もあったようです」(前出・スポーツライター)
ファンの応援が力になるとはいえ、精神的にも敏感な試合の前後はそっとしておいてほしいというのがアスリートの本音だろう。ファンへのサービス精神が旺盛な羽生選手だからこそ、ファンがストレスとなってしまうような環境は減らしてあげられるとよいのだが。
(芝公子)