4月16日に1位のヤクルトとの対戦を終えた矢野阪神。対戦カードが一巡した第5節を終えた4月15日時点で、6勝9敗の5位である。5位ということは、まだ「下」がいるわけだが、その最下位・広島と阪神を比較した場合、どちらにチーム浮上の要素が大きいかと聞けば、答えは言わなくてもわかっているだろう。
苦しい展開の試合の連続で頭を抱えている矢野燿大監督に対し、さらに追い打ちをかけるような批判も出てきた。「ガマンしろ!」というのだ。
「開幕4戦目に、新人の遊撃手・木浪聖也がスタメンから外されました。その後は北條、鳥谷を含め、調子の良い選手を使い分けています。出場選手が異なるわけですから、当然、打線も日替わり状態です」(在阪記者)
木浪はオープン戦は絶好調だった。それで開幕スタメンを勝ち取ったのだが、本番に突入した途端、バットから快音が聞かれなくなってしまった。
「阪神はセンターラインの選手がまだ固まっていません。というか、ショートを固定できれば、センターラインも固まるんです。捕手は梅野、二塁は糸原、中堅は糸井、あとはショートだけ」(前出・在阪記者)
勝利を優先する以上、調子の悪い選手を外すのは間違いではない。しかし、ショートが日替わりだと、内野守備そのものにも影響してくる。OBらからの批判はこのあたりにも理由があるようだ。しかし、一方ではガンコな一面も矢野監督は見せている。
「4番の大山悠輔ですよ。一時は打率2割を切るありさまでしたが、4番で使い続けています」(ベテラン記者)
木浪を交代させ、大山は使い続ける理由だが、近年の阪神は外国人選手に4番を任せてきた。外国人選手は「アタリ、ハズレ」がある。昨季のロサリオがその定型で、外国人選手が打てないとなった時点で、チーム構想が根底から覆るような状況を打開したいとし、生え抜きの4番を育てようとしているのだ。しかし、ショートをおろそかにしてはならない。
「木浪がプロの壁にぶつかっているのなら、北條で固定すべきかもしれない。矢野監督は木浪に期待しているので、将来的には木浪で固定したいのかもしれません」(前出・ベテラン記者)
木浪の覚醒待ちが日替わりショートの原因だとすれば、センターラインの固まらない矢野監督への批判も終わらないだろう。
(スポーツライター・飯山満)