ミツバチがつくる「プロポリス」に、なんと発毛作用があるという。
北海道大学大学院農学研究院の小林謙准教授の研究が注目されている。彼の研究内容というものはこういったものだ。
様々な生理活性作用や、皮膚細胞の増殖を促して、傷ついた皮膚や角膜を修復する可能性があるブラジル産プロポリスを用い、マウスを使ってプロポリスが毛髪の成長へ与える影響についての実験を行ったのだ。そして、その結果、プロポリスは毛髪の細胞増殖を活発化し、発毛・育毛を促進する可能性があることがわかったという。
そもそもプロポリスとはミツバチが作り出すもので、日本では「蜂ヤニ」と言われてきたもの。ミツバチが集めた様々な樹木の新芽や樹脂(ヤニ)や、樹液そして花粉にミツバチの唾液、ミツロウなどでできている。これを巣の入り口や壁のすき間に塗りつけている。
養蜂家であり養蜂新聞の創業者でもある深沢光一氏は、かつてこう話していた。
「蜂が野外を飛び回る過程で、さまざまな菌やウイルスに触れる。プロポリスは、それを巣に入れない役目を果たしている」
つまり抗菌作用が凄いのだ。動脈硬化を予防したり免疫力を高める作用があるのだが、さらにアミノ酸やビタミンやミネラルなどの天然成分も豊富に含んでいる。そして、特にポリフェノールの一種であるフラボノイドは40種類以上含まれている。このフラボノイドには、強力な抗酸化作用があるのだ。
〈抗酸化作用により細胞が活発になると、新陳代謝が促進されて、毛根の発毛が促進される〉(小林謙准教授)
髪の毛も当然身体の一部。ビタミンやミネラル、アミノ酸などの栄養素を必要とする。プロポリスにはその栄養素のすべてが含まれているという。小林謙准教授はこう締めくくっている。
〈プロポリスは毛髪の細胞増殖を活発化し、発毛・育毛を促進する可能性があることが示された。今後、臨床への応用を目指した研究が期待される〉
ヘアコンサルタントで美容師の松本栄子さんもこう話す。
「プロポリスの使い方は、頭皮に直接塗って、マッサージで成分を頭皮に浸透させる。でもプロポリス配合のシャンプーやトリートメントも出ている。継続して使っている方には効果が出ている。そしてみなさん髪に艶やハリが出てきている」
良さそうな感じがする。
(谷川渓)