今季、12球団で唯一、戦力補強を行わなかったソフトバンクが開幕から貯金生活を邁進し、悠々首位をキープ。地力の強さに他球団も舌を巻いている。
「綻びがあるとすれば、ますます工藤公康監督(56)の独裁が進んでいることでしょうか。メディア相手には選手を立てるコメントをする監督ですが、ベンチ裏では容赦ない叱責を浴びせることで有名。通算224勝の名投手に怒られると、そこまでの実績がない現役投手は何も言い返せず、野手は野手で『俺はバッターのことはわからないけど、ピッチャー目線で言うとさあ!』と論破されるそうです。選手との間にもある種の緊張状態が常に走っていますが、工藤監督自身『俺は誰にも好かれようと思ってないから、誰に何を言われても、何を書かれてもまったく気にしない。結果を出してるから、そんな筋合いもまったくない』と語り、唯我独尊が止まりません」(スポーツ紙デスク)
選手の不満が積もり積もって爆発──そんな不吉なチーム崩壊の未来図も予測できないことではない。
昨季は山賊打線で打ち勝ってペナントを手にした西武は今季、案の定、不安視された投壊が勃発。チーム防御率は12球団ダントツ最下位の4.89だ。
「この調子だと、パ最下位だった昨季の653失点を大幅に更新しそう。埋め合わせできる投手が出てこないから、高橋光成(22)が3試合連続でKOされても下に落とせません。菊池雄星(27)の退団がわかっていながら、37歳の内海哲也を獲って満足したのか、他に補強をしなかったツケが回ってきた」(球界関係者)
6月の交流戦は6連戦が続く日程にもかかわらず、現時点で圧倒的に先発投手が不足しているのが現状だ。
「ポスティングで得た雄星マネーが西武ホールディングスに入って自由に使えない、という同情すべき点もあるが、編成のトップである渡辺久信GM(53)の責任を問う声も出ています」(球界関係者)
的確な補強をせずに低迷しているのは、パ最下位のオリックスとて同じこと。
「復活を期したT-岡田(31)は昨季以上の不振にあえぎ、期待された吉田正尚(25)も爆発できず、とにかく点が取れない。4月28日には、試合終盤の炎上を目の当たりにした宮内義彦オーナー(83)が激怒したことも報じられたが、もはやチーム内には『だったら補強してくれよ』というムードが蔓延、選手のモチベーションも下がっている。今季オリから日本ハムにFA移籍した金子弌大(35)なんて、移籍先で『こんなにチームのことを考えてくれるフロントがいるんですね』とビックリしていたというから、現場とフロントの意識の乖離はすさまじいものがある」(球界関係者)
最後は、そんな両者を尻目にAクラス入りと気を吐く楽天の裏情報を紹介しよう。最下位だった昨季から見れば快進撃ともいえる好調の理由は、三木谷浩史オーナー(54)の現場介入が激減したからだというのだ。
「三木谷さんはJリーグ・ヴィッセル神戸のオーナーでもありますが、昨年話題になったイニエスタに続き、今年も世界的ストライカーのビジャなど積極的に外国人を補強し、サッカーに夢中で野球に目が向かないようです。過去には、スタメンをFAXで指示するなど度を越した介入が目立ちましたが、今季はナインがのびのび野球ができている。ただ、ヴィッセルでも同様に現場介入しすぎることが問題視され始め、再び野球に戻ってくるかも‥‥と現場はヒヤヒヤで気が抜けないという話も聞きます」(球団関係者)
楽天ファンは、オーナーがサッカーに集中するよう願うしかないか──。
(数字や成績は5月10日時点)