ようやく最悪の状態を脱したかに見える3連覇王者の広島は、丸のFA流出以上に選手と首脳陣、球団フロントとの対立が悪影響を及ぼし始めている。
「緒方孝市監督(50)は、典型的な何もしない監督。開幕当初、最下位転落後もなんら具体的な策を打たなかったので、選手の危機意識が高まってみずから奮起、ようやく勝ちが先行し始め上り調子にあります。ただ、放任主義野球のままでは、再び負け始めれば選手からの不信感が膨れ上がることになりかねない」(スポーツライター)
そもそも広島は今年、菊池涼介(29)がシーズンオフのメジャー挑戦を表明、正捕手・會澤翼(31)もFA権を取得と、2年連続で主力流出危機を迎えているのだ。
「會澤がFA資格を満たした4月7日に球団は『これからも正捕手としてやってもらいたい』としながら、条件面については白紙を強調するコメントを出した。選手にしてみれば、本気で慰留する姿勢とは受け取れず、こちらも溝が深まっているようなのです」(スポーツ紙デスク)
広島の黄金時代は、はかなく崩れ去るのだろうか。
Aクラスで「平成」を終え、「令和」が始まったとたんに阪神、広島に抜かれて5位転落の中日。メディアがこぞって注目する2人のスター選手がいまだに沈黙したままだ。
「昨オフの“主役”だったドラ1の根尾昂(19)は、GW明けに左人さし指のケガから実戦復帰しましたが、実際のところまだファームですら打率1割台前半。守備でもいいところが見せられず、戦力としてカウントすることは難しい。ファンサービス絡みで右腕を負傷した松坂大輔(38)も、ブルペンには入っていますが、まったくペースアップできないまま。救世主としての期待は持てませんね」(スポーツ紙デスク)
さらに悩ましい外国人枠の問題が横たわっていた。
「開幕投手の笠原祥太郎(24)やベテランの山井大介(41)が登録抹消の現状、ロドリゲス(27)、マルティネス(22)、ロメロ(28)の投手3枚は外せない。不調の最大の原因が『得点欠乏症』であるのに、打者を1枚減らさざるをえません。ビシエド(30)は不可欠ですから、アルモンテ(29)が割を食っている。まあ、外国人に頼り切ってしまったチームの長年の体質が一番の問題とも言えますが‥‥」(スポーツライター)
すっかりセの「1弱」のポジションに収まったのがDeNA。勝てない理由の一つにラミレス監督(44)の謎采配があるとされている。
「次期監督と目される三浦大輔投手コーチ(45)を意識しすぎるあまり、自分も何かアピールしなければと策を弄して空回りしているんです」(DeNA番記者)
その一端は5月6日の巨人戦で現れた。昨季の新人王・東克樹(23)が故障明けから今季初登板を迎えた時のこと。女房役に直前の2軍時代にバッテリーを組んでいた2年目の山本祐大(20)を抜擢したのだ。
「ラミレス監督も試合前は『これは巨人も考えていなかっただろう』と悦に入っていたそうですが、巨人にすれば『はあ? 2軍のキャッチャー?』ってなもんで、フタを開けてみれば昨季は巨人をカモにした東が3回8失点の大乱調。今季はラミレス監督のありえない思いつきをいさめていた光山英和前バッテリーコーチ(53)が楽天に引き抜かれてしまったので、ストッパーになるご意見番がいなくなってしまったんです。旗色が悪くなった最近は、途中解任も危惧して『ヘッドコーチでもいいから残りたい』と周囲に懇願しているそうです」(DeNA番記者)
季節は夏に向かうが、ラミレス監督の首筋は涼しくなる一方のようだ。
(数字や成績は5月10日時点)