テリー まず僕らの世代はやっぱり、由美さんを「11PM」で見た時の衝撃が忘れられないんですよ。由美さんはあの時、おいくつだったんですか。
由美 15歳になったばかり、中学3年生です。なので、番組は生放送でしたけど、ビデオ出演だったんです。ドリス・デイの「ティーチャーズ・ペット(先生のお気に入り)」、という曲を一生懸命覚えて、必死で歌って踊りました。
テリー そもそも、芸能界に入ったきっかけは何だったんですか。
由美 小さい頃、近所のお姉さんがクラシックバレエをやっていたのを見て、私も始めたんです。それから中学に入った時に友達が「西野バレエ団に行かない?」って誘ってくれたので、一緒に入団して一生懸命練習していたら、西野先生から「『11PM』という番組で新しいコーナーがある」と言われまして。私を出演者に抜擢してくださったんです。
テリー 僕はもちろんですけれど、「ミニスカートのすごい女の子が出てきた!」って、本当に社会現象みたいな騒ぎになりましたからね。
由美 ええ、超ミニスカート姿でした(笑)。放送後に「今出ていた子は誰だ?」「今度いつ出るんだ」みたいな電話がテレビ局に殺到して、電話回線がパンク寸前になったんですって。
テリー そうでしょうね、とても15歳とは思えない色気がありましたから。
由美 ありがとうございます。で、その電話の問い合わせの中に交じっていらしたのが‥‥。
テリー もしかして石原裕次郎さん!? 噂では聞いたことがあるんですが、本当の話なんですか。
由美 はい。それをきっかけに、裕次郎さんの相手役で映画(「夜のバラを消せ」66年・日活)に出させていただくことになったんです。もうトントン拍子にいろいろなお話が進んでいって、自分でも夢のようでした。
テリー 由美さんから見て裕次郎さんって、どんな方だったんですか。
由美 もうね、背が高くて脚が長くて、カッコいい兄貴っていう感じ。私、その時はまだ関西に住んでいたんですけれども、撮影のために東京に行かなくてはいけなくて。そしたら、まき子夫人が「大変だから、うちに泊まって、そこから撮影所に行きなさい」とおっしゃってくださって。
テリー あ、成城の裕次郎さんのご自宅に?
由美 はい、マネージャーの女性と2人でお言葉に甘えて泊めていただいて。本当にありがたかったです。
テリー あと僕は、金井克子さんや奈美悦子さんたちとやっていた音楽番組も好きでしたね。
由美 西野先生が企画・作・構成された「レ・ガールズ」ですね。
テリー そうそう、踊れて歌える5人組のアイドルグループ。「モーニング娘。」やAKB48の大先輩ですよ。グループ内の関係はいかがでしたか?
由美 それぞれがものすごく忙しくて、なかなか一緒の時間が取れなかったんです。みんな寝不足でした。夜中の仕事場で振り付けと歌を覚える時にやっと会える感じで、お弁当を食べながらおしゃべりするのがやっとでした。
テリー 先輩の金井さんには、厳しくしごかれたんじゃないですか。
由美 後輩に対して、愛のムチで成長するようにかわいがられました。金井さんから「いいわね、あなた(の体)は柔らかくて」って、褒められたのが印象に残っています。