6月30日放送の第11話から、第二章の反撃編がスタートしたドラマ「あなたの番です」(日本テレビ系)。番組のキャッチフレーズも第一章の「毎週、死にます」から、この反撃編では「殺られる前に暴いてやる」へと替わり、いよいよ連続殺人事件の謎を解いていくフェーズに突入したことが伺える形となっている。
「第11話ではさっそく一人目の犯人が確定しました。第3話で描かれたブータン料理店主の事故死が、403号室に住む医師(片桐仁)の犯行だったことが明かされたのです。この調子で翌週以降も次々と殺人事件の謎が解かれていき、連続殺人事件の黒幕に迫っていくことは確実でしょう」(テレビ誌ライター)
この方向転換により、第一章のサスペンスものから、第二章では推理ものへと変容しつつある「あなたの番です」。だがその方向転換により、本作では重大なルール違反が発生する恐れが高まったという。テレビ誌ライターが続ける。
「本作を巡っては数多くの視聴者が“考察”を披露しており、犯人探しとトリック暴き、そして制作側が散りばめているヒントの解読に勤しんでいます。その中で盛り上がっているのが“双子説”。主人公で妻を失った夫(田中圭)や、第二章でカギを握りそうな女子大生(西野七瀬)が、実は双子ではとの予想がもりあがっている状況です。しかし、もし双子説が当たっているのであれば、推理ものとしてはルール違反を犯していると言わざるを得ません」
いわゆる推理小説には200年近い歴史があり、そのストーリーにはいくつかの定石がある。しかし双子説が本当だった場合には、その定石から外れてしまうというのだ。
「推理小説では作者が守るべき指針として《ノックスの十戒》、そして《ヴァン・ダインの二十則》が有名。この十戒では『双子・一人二役はあらかじめ読者に知らされなければならない』ことを定めています。同様に二十則には避けるべき手法として『双子の替え玉トリック』が挙げられているのです。しかしこの『あなたの番です』ではいまだに、カギを握る人物が双子かどうかが明かされていません。これで、もし主人公や女子大生が双子だったのであれば推理小説の鉄則に反するルール違反に該当し、視聴者にとっては《なんだよそれ》となりかねないでしょう」
はたして本作には双子が登場することになるのか──。
(金田麻有)