テリー 確かに、テレ東時代はいろんな人と仕事をしてきたよね。これは貴重な体験だったでしょう。
大橋 ですね。所ジョージさんとは一緒に番組(「所さんの学校では教えてくれないそこんトコロ!」)を9年半やらせていただいたんですけれども、「大橋、力を抜け」って言われたのが、いちばん印象に残っていて。
テリー そりゃまた、なんで?
大橋 収録の時、私が赤ペンで添削して真っ赤になった台本を持っていたのを見て、「大橋、お茶の間の人はゴロンと寝転んでテレビを見ているんだよ。出演者がそんなに気を張っていたら、見ている人たちも疲れちゃうよ」と。
テリー いかにも天才の所さんらしい言葉だな。もっとも、それってなかなかできないんだけどね。
大橋 そうなんです。所さんのマネはできませんが、その姿勢を学ばせてもらいました。
テリー 大橋さんといえば「やりすぎコージー」の印象も強いけど。
大橋 あの番組は、上司に頼み込んで出させてもらったんですよ。
テリー ええっ、そうだったんだ。
大橋 はい。特番の時から出させてもらっていたんですが、レギュラー番組になった時、収録日が私の公休日に当たっていたんです。最初は「無理だ」と言われていたんですが、部長に頼み込んだら人事部と掛け合ってくださって、私の公休日を移動させることで出演できることになった、という経緯がありまして。
テリー そこまでの強い思いがあったんだ。しかし、あの番組ではずいぶん鍛えられたでしょう。
大橋 はい。今田(耕司)さん、東野(幸治)さん、千原兄弟さんたちの会話のキャッチボールがもう速すぎて、最初全然見えなかったんですよ。売れていらっしゃる芸人さんでも、ゲストであの場に来るとすごく焦って、かんだり早口になったりするくらいで。
テリー わかるよ、レベルが高すぎるもんな。
大橋 でも、皆さん優しくて、気遣いの方ばかりでした。千原ジュニアさんも昔は「ジャックナイフ」って言われていましたけど、実は優しくて。私が台本の進行を見失ったりすると、そっと指で「ここやで」って教えてくれたりしましたから。「やりすぎコージー」に出たことで、社内はもちろん、視聴者の方にも認識されるようになったので、私にとって本当に大きな転機になりました。
テリー しかし、部長に直談判に行くなんて、昔から仕事に対して意欲的なんだね。大橋さんは自分の性格をどう分析してるの?
大橋 いやぁ、何でしょうね‥‥男に生まれてみたかったな、と思いますね。
テリー 男っぽいんだ。
大橋 そうなんだと思います。逆に女性の感覚がよくわからないというか。
テリー ハハハ、どういうことだよ。
大橋 体を張る仕事もいとわないところがあって、現場からは「男の中の男」なんて言われていました。羞恥心が欠如しているんですよ(笑)。あと、思い切りのよさとかもありますかね。パッと決めたらすぐ行動してしまう性分で、局を辞めた時も実はまったくのノープランだったんです。
テリー えー、本当に?
大橋 そうなんですよ、自分でも怖いぐらいで。