現役時代、ダイナミックなプレーでファンを魅了した「ミスターロッテ」といえば有藤通世氏だ。古巣を第三者的に予想すれば最下位だそうだが、「OBとしてそれはできない」として5位予想。では、その他は。
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セ・リーグの本命は有藤氏も巨人で動かず。オープン戦も若手投手だけで抜群の防御率を残した。
「WBCに選手を大量に派遣したのに、前半12試合で防御率1.66。もともと失点の少ないチームだけど、さらに投手力が増した感があるね」
そんな巨人の対抗馬にあげているのが阪神だ。今シーズンも大量補強を敢行したが、中でも西岡の獲得がプラスに出ると見ている。「恐らく西岡を1番で起用するだろうけど、移籍1年目から結果を残すんじゃないかな。彼の性格や気質は、独特な雰囲気を持つ甲子園球場にもマッチすると思うんですよ」
さらに、外国人コンビもキープレーヤーになる。
「昨年は不調に終わったマートンが、首位打者を獲った足を上げないホームに戻した。かつてのようにヒットを量産するだろうし、新外国人・コンラッドは全力疾走を心がけチームプレーに徹している。昨年よりアップするであろう得点力は、うまくいけば1試合平均2点ぐらいの上積み(昨年は1試合平均2.85)が期待できます」
課題とされている投手陣だが、有藤氏は太鼓判を押すのである。特に、左の2大エースがチームを牽引しそうだ。
「能見と岩田は、昨年より状態がいい。去年は負けが先行したけど、得点力のアップに支えられて、勝ち星を伸ばすんじゃないかと見ています。確かに、抑えの藤川が抜けたのは気がかりですが、1回限定であれば久保の球威で十分しのげると思います」
ただし、2位とはしているものの、「阪神の最下位もありうる」という。巨人を除く5球団はダンゴ状態という見解だ。阪神のようにスタメンがそろっても、ケガ人が出ると補える選手がいない。そこが他球団と巨人との決定的な違いだという。ケガ人をいかに少なくするかが、Aクラス争いの絶対条件となりそうだ。
「中日は浅尾がいつ万全で戻ってこられるか。彼が不在ということで、開幕直後はかなり苦労するんじゃないかな。これ以上ケガ人が出ると、中日はBクラスもありえますよ」
そしてパ・リーグの本命は、やはり投打ともに充実しているソフトバンク。
「日本球界に慣れたペーニャが本領を発揮して昨年より活躍するだろうし、新外国人のラヘアも、広い福岡ドームも気にしない長打力があるようです。1試合当たり、5~6点取るぐらいの得点力アップが見込めそうです。それと、ショート・今宮の成長が著しく、昨年埋まらなかった川崎の穴を埋めそうです。全ての面でソフトバンクはライバルチームを上回っていると思います」
となると、焦点はソフトバンクの対抗馬探し。「2位から4位は混戦」と前置きしながら、有藤氏が2位に予想したのは昨年4位の楽天。チーム状態のよさは、オープン戦を見れば一目瞭然だという。
「オープン戦っていうのは、若い選手を試す場でもあるわけですよ。それでいながら、12試合を終えた段階で防御率が1.95。これは巨人に次ぐ2位の成績です。若い投手が順調に育ってきて、投手陣に厚みが出てきた証拠でしょう。これがペナントを戦ううえで、強みになるんじゃないかと見ていますね」
セ・パともにCS争いの行方は混沌としているようだ。