セ・リーグは、前半戦を首位で折り返したDeNAでも勝率5割という低レベルの混戦が繰り広げられている。その要因は優勝候補筆頭だったリーグ3連覇中の巨人が貧打を解消できずにいることだろう。
現在は亀井善行(32)に任せている聖域・4番も固定できずにいる。焦りが負の連鎖を生むのか、原辰徳監督(57)とベテラン勢との間に波風が立っている、ともっぱらだ。巨人番記者が言う。
「精彩を欠く村田修一(34)を8番に下げたり、バントを命じたりするのは序の口。かつてベンチで露骨に采配を小バカにされた阿部慎之助(36)には、陰で何か言われていないかと疑心暗鬼になっているようです。そのため周囲に『まったく村田は働かない』だとか『慎之助ははたして一塁をやりたいのか、捕手をやりたいのか。どこならフィットするんだ』などと愚痴をこぼしまくっている。打線が火を噴かないことで、球界では『優勝を逃して原さんを辞めさせるため、ベテランはわざと打ってないんじゃないか』という冗談も耳にしますが、それが冗談に聞こえないありさまです」
永遠のライバル・阪神では、和田豊監督(52)が「ヤケッパチ采配」と揶揄され、OBから「今後のタイガースを考えた采配なのか。何なんだ、あれは」という声が飛ぶ一方で、助っ人の流出危機に悩まされているという。トラ番記者が話す。
「不振だったマートン(33)が復調気味に見えますが、今季の打撃低迷は契約の切れる今オフのメジャー入りを見据えて、ケガをしないよう手を抜いているからではないかとささやかれている。というのも、公表はされてませんが、マートンは昨季、オプション契約をクリアして年間5億円を手にしたと噂され、もう稼ぐ必要がないというんです。すでにメジャー球団と話ができているとも聞こえてくる」
チーム防御率はセ最低で打率も最下位・巨人と3厘差の5位、ホームラン数、盗塁数など軒並み最下位。状況は一向によくならないのに、なぜか上位にはいることでチーム内から「悪運強いよな」との皮肉まじりの声も漏れているという。
「交流戦ぐらいから何とか盛り返したのは、西岡剛(30)が右肘を故障して交流戦前に離脱したからですよ。他球団の選手も多くがそう話しています。西岡がいると若手は萎縮するうえ、夜も盛り場を連れ回すんです。コーチ陣もホッとしている。大阪桐蔭の後輩でエースの藤浪晋太郎(21)もよく誘われていましたからね。裏を返せば、後半戦に西岡が復帰してきたらチーム状況はどうなるか」(球界関係者)
プロ野球評論家・伊原春樹氏が話す。
「セはダンゴが続いても、チーム防御率が唯一の2点台という巨人が守り勝って抜けると見ています。というのも対抗馬だった阪神は、能見篤史(36)やメッセンジャー(33)に昨年までの安定感がなくなり、先発の数も足りない。7~8月に連戦が続くと、弱いローテの5~6番手投手で星を落としていくことも予想できますからね」
阪神は「死のロード」を乗り越えられるか──。
※文中のデータは2015年7月15日時点