リハビリを続け、現役復帰を目指している前DeNAの清水直行氏。このオフは静養に努めたこともあり、じっくりと各チームの戦力分析を行っている。中でも気になるのが古巣のDeNAである。
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期待を込めて、DeNAを4位予想だ。
「今のDeNAにとって、4位っていうのは最高の順位ですからね。昨年、巨人の独走を許してしまったのもDeNA。このチームが頑張ってくれれば、セ・リーグの優勝争いもおもしろくなるんじゃないかと思います」
中日からブランコが移籍。ラミレス、中村紀、モーガンとそろい、強力なラインナップとなった。だが、Aクラス進出とまで予想できないのは、やはり投手陣の弱さからだという。
「投手を見ると誰が2桁勝てんねんって思いますよ。いつまでも三浦さんに頼っているようではダメ。あえて厳しいことを言いますが、若い国吉はあまり期待できないし、高崎もパッとしない。ただ打線は強力になったし、荒波のように走れる選手もいる。打線が点を取ってくれれば投手の意識も変わるので、今年はそこに期待したいですね」
優勝予想は巨人で揺るぎなし。「どう考えても80勝以上する」と断言する。その巨人を追いかけるチームはどこも決め手に欠ける。戦力を補強した阪神にしても、藤川球児の不在が大きなマイナスになるという。
「ロッテ時代、一緒にやっていたからわかるんですけど、抑えが久保では頼りない(笑)。先発でもポカがあるので、まだ中継ぎが向いていると思いますよ。あと、阪神は正捕手と4番がいないのも痛い。1試合3点以上取れるような打線でもないので、上位進出は難しいでしょう」
では、最下位に予想している広島はどうか。
「昨年、新人王を獲った野村は、9勝のうち4勝をDeNAからあげているんです。打力の上がったDeNAは昨年ほど勝たせてくれないだろうから、成績はダウンするでしょうね。広島はマエケンが肩を壊したら終わってしまいます」
パ・リーグの優勝予想はソフトバンク。ピッチャーが豊富で、バランスのいい打線を組んでいる。清水氏は「ソフトバンクの優勝は堅い。2位以下はダンゴレース」と予想している。
順位を一気に落としそうなのが西武。中島の抜けた穴は、あまりにも大きいという。
「攻守のキープレーヤーですし、ナカジの代わりはいません。得点力はガクッと落ちるでしょうね。先発も計算できる投手が少ない。いつまでも石井さんが柱ではアカンですよ。もう、くたびれていますから(笑)」
ロッテは最下位もありうるというが、古巣ということで3位予想。昨年のチーム本塁打王は井口の11本。打力の低さは今年も変わらないと見ている。
「そうなると投手陣でふんばりたいのですが、唐川は絶対にケガをするし、昨年6勝7敗の藤岡が2桁勝つとは言いがたい。ただし監督が伊東勤さんになったので、うまいことチームを整備してくれれば、上位に進出する可能性はあると思いますよ」
自身はいまだに現役。投手力に苦しむチームにとって、救世主となる可能性もある。
「今の自分の状態からして、今シーズン中の復帰は難しいでしょうね。現役を続けるかどうかは、夏頃に判断したいと思っています。ただ、可能性があるかぎり、再びマウンドに上る夢を追い求めていきたいですね」