韓流ドラマ「がんばれ!クムスン」や「パンドラ 小さな神の子供たち」などで知られる韓国の人気俳優、カン・ジファンが7月9日、所属事務所の女性スタッフに暴行を加えた容疑で逮捕された。
そのジファンは現在、連続ドラマ「朝鮮生存記」で主役を務めているが、放送局のTV朝鮮では週末の13、14日に予定されていた放送の中止を決定。さらにジファンの出演作を再放送も含めて今後、一切放送しないことも決めたという。この一件について韓流事情に詳しいライターが説明する。
「韓流ドラマの特徴は、ほぼ“撮って出し”で制作されていること。それこそ今週末の放送回は、まさに今、撮影と編集が行われている最中だったはずです。それゆえ主演俳優が逮捕されてしまうと、それ以降の回は制作自体が不可能に。その意味では綱渡り的な制作体制と言えますが、その一方で今回のような不測の事態が発生した場合には収録分がお蔵入りになるという無駄が生まれないため、被害を最小限に抑えることができるとも言えます」
今回のような出演俳優の不祥事は日本でも散見されるが、さすがに放送中のドラマで主演俳優が逮捕される例はめったにないはず。しかもドラマ「朝鮮生存記」は6月8日に第1話が放送されたばかりだ。その事後対応に日本のテレビ局が熱い目を注いでいるという。
「ドラマ『朝鮮生存記』の制作会社では代役俳優を検討していると明かしているそうです。幸いにもドラマが始まったばかりなので、ここで強引に主役俳優を交代し、今後のDVD化に際しては第1話のみを撮り直すこともあり得るでしょう。日本では考えづらい力技ですが、薬物容疑で実刑判決を受けたピエール瀧のケースでは、出演中のNHK大河ドラマ『いだてん』で急きょ、三宅弘城が代役で出演する一幕もありました。それゆえ日本のテレビ局でも《主演級の役者が不祥事を起こした場合》のシミュレーションは行っているはず。その緊急事態における現場対応のモデルケースとして、ジファンの逮捕が注目されていることは間違いありません」(テレビ誌ライター)
日本のテレビ局では今後、不祥事を起こしかねない俳優をドラマで起用する際には、代役まで検討するようになるのかもしれない。
(金田麻有)