統一球問題発覚後の7月10日、都内で開かれた12球団オーナー会議ではコミッショナー選任方法などについて話し合われたが、ここで楽天の三木谷浩史オーナー(48)は「非常勤より常勤の人がいいのでは」と発言している。落合氏はこの件に言及。
「これって実際問題、お金の話をして申し訳ないんだけども、日本のコミッショナー、アメリカのコミッショナーがいくらもらってるか、皆さん知ってます? アメリカは約14億から15億。日本は2400万から3600万。社会的に地位のある方に(就任を)頼みに行った時、そのお金でハイわかりましたと受ける人がいるのかな」
日本はアメリカに比べてあまりに安すぎるため、加藤氏を含め、過去のコミッショナーは企業や団体の役職を兼任したというのだ。だから常勤は難しい、と。落合氏はさらに毒を吐く。
「彼らがコミッショナーになった時に最初に必ず言う言葉は『この野球協約って何なんだ? これは絶対に変えなきゃいけない』。でもそれに手をつけた人は一人もいない。協約に、コミッショナーの決定が最終決定、といちおう書いてあります。でもそのあとに、最終決定は12球団オーナー会議でなされる、とある。皆さん、どっち取ります? 両方、決定権を持ってるっていったって、今のコミッショナーは何の権限もない。本当に野球をよくしようと言うんであれば、コミッショナーを誰にするかという以前にこの協約を変えないと、なり手はいないだろう」
現在、オーナー会議で4分の3の議決があれば物事は決まる。それでいて二重権限といういびつな構造を問題視。そのうえで「誰にするか」という問題について、落合氏は驚くべき人物の名前を口にした。
「次のコミッショナーは渡辺恒雄さん(87)がやればいいと思うよ」
本気とも冗談ともつかない爆弾提言に、客席からは大きな笑いが起こる。
「今の野球界でいちばん発言力があるのは誰かといえば、渡辺さんだと思う。だからもう、そのへんでしゃべってないで、中央に来て堂々と『オレはコミッショナーだから野球界をこうしなきゃいけないんだ』と、旗を振ってもらいたい。他にいないよ。誰がいます? いまさら渡辺さんもそんなにお金いらないでしょ。2400万、3600万で全部の仕事を放っぽり出して野球界のために一肌脱ごうかという人、います?」
落合氏に「指名」された渡辺氏はマスコミに対し、ソフトバンク・王貞治球団会長(73)が適任だと発言したばかりだが、
「王さんはやらないでしょう。ソフトバンクが手放そうとしないから。確かにナベツネさんの発言力、影響力は一番で、球界に対する過去の問題発言、放言、苦言、提案はあげればきりがない。コミッショナーはオーナー会議で決めますが、加藤氏なんて『コミッショナーをやらせてください』と頼み、ナベツネさんが各球団のオーナーに根回しして実現した」(球界関係者)