髪型をモヒカンにし、東京高等検察庁に出頭したあの日から約1年9カ月。ホリエモンこと堀江貴文氏がシャバに帰ってきた。ロケット事業や新メディアの立ち上げ、そして政界への再挑戦‥‥人間的には一回り大きくなりながら、サイズ的には二回り小さくなった堀江氏が、血尿も出た獄中生活と、今後の野望を語り尽くした!
40歳になりました。起業から逮捕──人の一生分生きたと思います。30代は裁判と収監で過ごしてしまいました。収監先が決まるまで東京拘置所の確定房に入るのですが、入所時に髪の毛を切ります。丸坊主になった自分を映す鏡の中に、山下清がいてびっくりしましたね。1週間ほどで、収監先が長野刑務所に決まり移送されました。
約1年9カ月ぶりにシャバに出ましたが、出所は突然言われましたね。刑務所では衛生係という担当だったんですけど、引き継ぎが必要な係なんですよ。私の先輩の人たちはだいたい2週間前くらいに知っていたんです。でも、私の場合、わかっていても伝えられていなかったというね(苦笑)。3月21日の木曜日、午後の休憩のあとに伝えられ、挨拶する間もなく出所となりました。
刑務所から出てくると「懲役ボケ」みたいな状態になるみたいですけど、私自身はまったくないです。積極的に取材に答えて、仕事に向かう私を周りが止めているという状況です。
出所してから真っ先に、スマホのアプリ「LINE」(注・登録者同士がメッセージをやり取りできるSNSアプリ)に登録しました。収監された1週間後に、リリースされたらしくて、私は全然動かしたことがない。中で耳年増みたいになっていて、使ってみると想定内ではありましたが、「あ、こういうものなんだ、すげ~な」と思いましたね。登録すると連絡先が全部知られるってことなんですけど、それまずいんですかね? 私は電話で連絡しない人には、メールでも連絡しないようにしています。電話を取りたくない人は電話番号を消去しているんで、この登録には何の問題もありません。そもそも、こんな最高なアプリを使わない人の意味がわからない(笑)。
コミュニケーションに関して言えば、獄中での連絡は手紙なんです。どうしてこういうものが残っているのか、というのが不思議でしょうがないです。歌舞伎とか、能とか、文楽とか、そういう文化・伝統として残しているものとは残り方が違うじゃないですか。カメラのフィルムはほぼなくなりましたけど、残ったフィルムカメラは歌舞伎的なものになっていますよね。いいんですよ、それで。刑務所の中に入って、そういう「手紙的なモノ」に対するテーマがはっきりしてきましたね。