韓国大統領府が日韓軍事情報包括保護協定(GSOMIA)を破棄したことで日韓関係が冷え込む中、写真誌「FRIDAY」(9月13日号)は、
〈安倍晋三×文在寅 日韓首脳の不毛な対立で韓流タウン新大久保が過疎化する〉
という見出しで、コリアンタウンの新大久保の今の状況について記事の中で触れている。冒頭で、新大久保で外国人向けの不動産屋を営む男性が、界隈で知られる「イケメン通り」の人混みについてこのようにコメントをしていた。
「(中略)この通りは一時、人が多すぎてまっすぐ歩けないほどでしたが、今では普通に歩けます。韓国人観光客がめっきり減ったからです。見かける韓国人は日本在住の人ばかり。やってくる日本人も韓国料理が目当ての人で、新大久保の韓流バブルが完全に弾けました。この先、どういうことが起こるのか、不安です」
対立している日韓関係が新大久保にも影響を及ぼしているという印象を受けるが、記事を読んで、少々困惑して話すのは、新大久保で働くコスメ店のスタッフだ。
「韓国人観光客がめっきり減ったも何も、そもそもイケメン通りをまっすぐ歩けないほど韓国人観光客が来たことなんて記憶にありません。ほとんど韓国で購入できるものばかりだし、観光で日本に来たのにわざわざ新大久保で何するんですか?ここ1、2年でチーズタッカルビや韓国式ホットドッグ、タピオカがブームになって大久保通りやイケメン通りを埋めるのは、10代や20代の日本人女性がほとんど。夏休みシーズンなので、平日でも普通に歩けない日はあります。彼女たちは日韓関係なんて興味ないですから、普通に遊びに来ていますよ」
誌面には、ガラガラの大久保通りを撮った写真も載せているが、これを見た新大久保在住の男性は苦笑いしながら言う。
「わざと観光客がいない時間を狙い撃ちして写真を撮ったんじゃないですか。これだけガラガラなのは、朝方か深夜くらい。もし平日の昼間過ぎに撮れたのなら貴重ですよ(笑)。こっちは通勤の行き帰りでJR新大久保駅を使いたいのに、毎日人が多すぎてイライラしているくらいですから」
長引く日韓関係の悪化は、思わぬ余波を広げているようだ。