スポーツ

天才は忘れた頃に…?中日・根尾昴が「来季の顔」になる与田改革の“深意”

 9月27日、中日・根尾昂がついに一軍登録された。30日の今季最終戦を含め、2試合に途中出場。打席では2打数2三振と、ルーキーイヤーは初安打とはならなかった。

「18年ドラフト会議でもっとも高い評価をされたのが、根尾。自主トレ、キャンプ序盤での故障による出遅れが響き、12球団の1位指名選手の中で、一軍昇格はいちばん最後となってしまいました」(ベテラン記者)

 しかし、中日は「根尾中心」のチーム作りに舵を切ったのは間違いない。

「根尾は二軍戦108試合、444打席に立たせています。チーム最多です。失敗を含め、実戦の中で育てていく方針を貫きました。一軍に上げる時はレギュラー争いができる状態と決めていました」(前出・ベテラン記者)

 ナンバー1の人気選手ゆえに“顔見せ”での一軍昇格を進められた時期もあった。こうした根尾の育成状況を聞くと、「チームの顔」として大きく育てようとしているのもわかる。また、引退危機が囁かれた松坂大輔に絡めて、こんな声も聞かれた。

「二軍戦でもっとも声援が送られるのは、松坂ではなく、根尾でした。松坂人気に頼りきった現状を変えるためにも、プロのスピードに慣れてきた今、終盤戦であっても一軍を経験させたほうが良いと首脳陣は判断しました」(名古屋在住記者)

 打撃成績は二軍通算2割1分だが、9月だけなら、62打22安打で3割5分5厘と急成長している。こんな情報も聞かれた。

「根尾に関する情報は、与田剛監督にもこと細かに報告されていたようです。実は、6月に根尾の昇格が一度話し合われました。森野将彦二軍打撃コーチが『他選手のバットスイングをよく見ろ』と助言し、スイング軌道やスピードについて自分に足りないものを理解させました。つまり、森野コーチはヒントを与えたのであって、根尾自身が考えて、自分をスキルアップさせたんです。その野球頭脳の高さに一軍首脳陣も関心していました」(前出・名古屋在住記者)

 今回、一軍の試合を間近で見るだけでも「来季につながる」と、与田監督は確信しているのだろう。来季は一軍戦で根尾を育てていくというスタイルが、中日の地元ファンに対するアピールポイントともなりそうだ。ショートでスタートさせるが、京田のほうが守備力で勝ると判断されれば、外野で大島とセンターでレギュラーを争わせるという。

「根尾を育てているとなれば、たとえ敗戦試合でもファンの捉え方が違ってきます」(前出・名古屋在住記者)

 根尾のチームに舵を切ったのは、このへんにも理由がありそうだ。

(スポーツライター・飯山満)

カテゴリー: スポーツ   タグ: , , , ,   この投稿のパーマリンク

SPECIAL

アサ芸チョイス:

    デキる既婚者は使ってる「Cuddle(カドル)-既婚者専用マッチングアプリ」で異性の相談相手をつくるワザ

    Sponsored

    30〜40代、既婚。会社でも肩書が付き、責任のある仕事を担うようになった。周囲からは「落ち着いた」なんて言われる年頃だが、順調に見える既婚者ほど、仕事のプレッシャーや人間関係のストレスを感じながら、発散の場がないまま毎日を過ごしてはいないだ…

    カテゴリー: 特集|タグ: , |

    これから人気急上昇する旅行先は「カンボジア・シェムリアップ」コスパ抜群の現地事情

    2025年の旅行者の動向を予測した「トラベルトレンドレポート2025」を、世界の航空券やホテルなどを比較検索するスカイスキャナージャパン(東京都港区)が発表した。同社が保有する膨大な検索データと、日本人1000人を含む世界2万人を対象にした…

    カテゴリー: 社会|タグ: , , , |

    コレクター急増で価格高騰「セ・パ12球団プロ野球トミカ」は「つば九郎」が希少だった

    大谷翔平が「40-40」の偉業を達成してから、しばらくが経ちました。メジャーリーグで1シーズン中に40本塁打、40盗塁を達成したのは史上5人目の快挙とのこと、特に野球に詳しくない私のような人間でも、凄いことだというのはわかります。ところで、…

    カテゴリー: エンタメ|タグ: , , |

注目キーワード

人気記事

1
長与千種がカミングアウト「恋愛禁止」を破ったクラッシュ・ギャルズ時代「夜のリング外試合」の相手
2
暴投王・藤浪晋太郎「もうメジャーも日本も難しい」窮地で「バウアーのようにメキシコへ行け」
3
日本と同じ「ずんぐり体型」アルプス山脈地帯に潜む「ヨーロッパ版ツチノコ」は猛毒を吐く
4
侍ジャパン「プレミア12」で際立った広島・坂倉将吾とロッテ・佐藤都志也「決定的な捕手力の差」
5
怒り爆発の高木豊「愚の骨頂!クライマックスなんかもうやめろ!」高田繁に猛反論