12月4日の「水曜日のダウンタウン」(TBS系)で放送された芸人クロちゃんのアイドルプロデュース企画「MONSTER IDOL」において、異例のテロップが流された。それは〈このあと、クロちゃんの行き過ぎた言動があったため一部のシーンをカットしてお送りします〉というもの。その場面では音声がミュートされ、候補メンバー6名全員がガチで号泣する様子が映し出されていた。
「沖縄合宿3日目の模様を追う今回は、クロちゃんからスパイ役を頼まれたアイカに対してナオが問い詰めるシーンを放送。候補メンバー同士が険悪になるなか、クロちゃんは悪びれることもなく自分がスパイを頼んだと告白したんです。しかもナオに対して『何か悪い?』と開き直り、悪くなる一方の雰囲気にカエデは顔を押さえて落涙。それでもクロちゃんの暴走は止まらず、候補メンバーたちに圧をかけ続けたようで、スパイ役のアイカに加えて無関係のミユキやハナエまで号泣する有様でした。この手のオーディションでは圧迫面接さながらの手法も定石とはいえ、番組側が要カットの判断を下したとは、よほどゲスい言葉を投げつけていたんでしょう」(アイドル誌ライター)
放送後には同番組の総合演出を務めるTBSの藤井健太郎氏が、《僕と渡辺さんが現場で企画の成功を確信した「地獄絵図」は地上波の許容範囲からはみ出していたようです》とツイート。どうやらTBSの上層部からストップがかかるほど、ひどい場面が展開されていたようだ。
その一方で藤井氏のツイートを巡って、〈よもや最初から出来レースだったのでは!?〉との疑惑も持ち上がっているというのである。前出のアイドル誌ライターがささやく。
「ツイートで藤井氏が言う《渡辺さん》とは、今回のアイドル企画に全面協力している芸能事務所『WACK』を率いる渡辺淳之介代表のことです。ここまでの放送では水ダウ側が番組としてアイドルオーディションを手掛け、グループ結成からは所属先としてWACKが引き取るという分業スタイルだったはず。しかし藤井氏のツイートは、沖縄合宿での騒動も含めたアイドル企画のすべてが番組とWACKが“共謀”していることを示唆しています。そう考えると、今回のアイドル企画があらかじめ敷かれたレースに沿って進んでいるのかもと勘ぐってしまうのは、無理もないことでしょう」
しかしデビュー後の新グループを預かる事務所側としては、放送できないほどの言動や、その言葉に号泣するアイドル候補生たちといった展開は、今後のグループ育成において障害でしかないようにも思えるのだが…。
「普通ならそうかもしれませんが、WACKはかなりユニークな事務所ですからね。事務所の創業アイドルである『BiS』は、マッパに見えるメンバーが走り回ったり、延々と口の中を映し出すといった業界の常識を超えたPVで話題になりました。特典会ではファンに馬乗りになったりハグできるという過激なサービスが人気を呼び、その活動内容を知った日本武道館から会場使用を断られたという伝説もあるほどです。今でも所属タレントの芸名がアイナ・ジ・エンドやハシヤスメ・アツコといった調子で、その風変わりぶりは健在。その一方で看板グループの『BiSH』は横浜アリーナを満員にするほどの人気を誇り、渡辺代表がファッションブランドを展開するといったスタイリッシュさも相まって、女子人気も非常に高い。それゆえ以前からWACKを知るファンにとっては、次回の『MONSTER IDOL』では何を仕掛けてくるかに興味が高まっているのです」(前出・アイドル誌ライター)
渡辺代表と藤井氏は、おたがいの主催イベントを共同開催するなど以前から親しい関係だという。そんな二人にとっては「MONSTER IDOL」を巡ってまるで“共犯”のように呼ばれることは、むしろ喜ばしいことなのかもしれない。
(金田麻有)