ニューヨーク・ヤンキースの田中将大が12月16日、古巣・東北楽天の球団事務所を訪れた。その際、報道陣にタンパベイ・レイズと契約した筒香嘉智との対戦について聞かれ、「全く情報がないなかでやるわけではない」と答えている。
レイズとヤンキースは同じアメリカンリーグ・東地区の所属。両者の対決が地区優勝にも大きく影響しそうだが、田中の発した前出の発言は、実は非常に興味深い。
「田中と筒香はこれまで、対戦していないはずですからね。では、これまで対戦した相手の中で誰と照らし合わせるかということになる。今のところ、ヤンキース側はクリーブランド・インディアンスのホセ・ラミレスに似たタイプと筒香をイメージしています」(米国人ライター)
ラミレスは近年、MVP候補としても挙げられている右投両打のスラッガーだ。
「実は、田中はこのラミレスを苦手にしているんです。18年シーズンにいたっては、打率5割以上と打ち込まれていますからね」(前出・ライター)
今季、ヤンキースは地区優勝を果たしたが、その“お得意サマ”となったのが、レイズ。12勝7敗と大きく勝ち越しており、レイズ側からすれば、ヤンキースとの直接対決の勝率を五分以上に上げなければ、優勝はない。
「レイズは、17年まで在籍していたサンフランシスコ・ジャイアンツのエバン・ロンゴリアがヤンキース戦で活躍していました。ロンゴリアは右バッターですが、以後、レイズにはヤンキース戦に強いバッターが出現していない。その点、田中の苦手タイプのラミレスに近い打撃スタイルである筒香に、レイズのファンはロンゴリアのような活躍を期待しているんです」(特派記者)
田中は東地区に同じ日本人選手がくることを歓迎していたが、早々に筒香に関するデータに目を通し始めているに違いない。(スポーツライター・飯山満)