栗山英樹監督は、やっぱり、斎藤佑樹のことが大好きなようである。
一軍に再昇格した北海道日本ハムファイターズの斎藤佑樹が“4度目のテスト”で結果を出せなかった。しかし、栗山監督の決心は変わらないようだ。
「一軍再昇格後、4月24日の楽天戦、27日のソフトバンク戦、5月2日の西武戦と出場した3試合連続で無失点でした。短いイニングをきちんと抑えており、この4度目の登板でも、チームが勝利し、結果を出せていれば、次のオープナー登板も早まっていたはず」(スポーツ紙記者)
「オープナー」とは、中継ぎ役のリリーフ投手を先発マウンドに送り、打者一巡をメドに交代させる。その後、本来の先発投手に継投する変則の投手リレーである。
昨季、タンパベイ・レイズが先発投手の足らない状況を補うために編み出した苦肉の策だ。しかし、「初回に失点せず、試合主導権を握れる」という効果で、レイズは57試合もオープナーを使い、90勝を挙げてみせた。これを模倣するチームも現れたほどだ。
「打者一巡をメドに投げるオープナーなら、斎藤を生かすことができるのではないかとオープン戦当初から期待されていました」(前出・スポーツ紙記者)
斎藤は4月4日の楽天戦で「オープナー」としてマウンドに上ったが、栗山監督の期待に応えられなかった。その後、二軍調整を経て一軍に再合流したわけだが、今年の日本ハムは特定の打者に対して、「外野手4人制」の守備シフトを敷くなど、特異な采配も目立つ。斎藤以外にも左腕・加藤がオープナーで起用されたこともあった。
こうした栗山采配から、もうしばらくはセットアッパーでの調整を続けて、オープナーに再挑戦すると見るのが自然だが、こんな情報も流れていた。栗山監督は年長のプロ野球解説者に「オープナー采配を続けるのか?」と聞かれ、こう答えたという。
「もしも、(斎藤が)絶好調でパーフェクトに抑えたら、交代させてもいいのかどうか…」
斎藤がベストピッチングを見せた時のことまで考えていたのだ。栗山監督は斎藤を単に戦力としてではなく、投手として一本立ちさせようとしているようだ。パーフェクトピッチングまで想像するのも、「スキ!」の度合いが強すぎる証拠だろう。
(スポーツライター・飯山満)