すでに巨人から戦力外通告を受けていた森福允彦投手が、引退を決断したことが各スポーツ紙で報じられた。
森福は当初、現役続行を希望し12球団合同トライアウトを受けてはいたが、台湾球界から誘いはあったものの、NPBからのオファーはなく意思を固めたのだという。
「トライアウトでは四死球は出したものの、打者3人に対し無安打2奪三振と、上々な出来でした。しかし、来季から大リーグではルール改正でワンポイントでのリリーフが禁止となり、日本球界もその余波を受けそうな気配となっている。そうしたことも、左のワンポイント専門の森福の選考に少なからず影響を与えたのかもしれません」(スポーツ紙記者)
とはいえ、とにもかくにも昨今の惨憺たる成績は大きいだろう。ソフトバンク時代は2011年、12と60試合以上の登板を果たして“左キラー”として確固たる地位を築き、13年にはWBCに出場。16年は50試合に登板で防御率2.00の成績を引っ提げFA権を行使、オフに2年総額4憶円の契約での鳴り物入りの巨人入りを果たすが、17年は春先早々から散々に打ち込まれ2軍行き。続く18年は1軍登板が2試合、今季も7試合とまったく良いところがなかった。
「それだけに、10月1日に戦力外通告を受けた時と同様、今回も巨人ファンからは《大金をもらっていったい何をしに来たのか》としたブーイングが殺到しています。そもそも、森福がソフトバンクを出る決断をした要因の一つに、ワンポイントのみの起用法への不満があったとされ、あくまで1イニングを任せてもらいたいという願望があった。しかし巨人では、1イニングどころかワンポイントでもおぼつかない状況から抜け出せなかったわけです。結局、森福の起用法をしっかりと見極めていたソフトバンクに見切りをつけたことが、選手生命を短くしてしまったとも言えますね」(夕刊紙記者)
こだわりと実力に落差があったということか。