いよいよプロ野球は、来季に向けた補強の戦いが本格化している。宣言残留を除いたFA権行使は、いずれもチームを代表する大物選手5人だ。札束を積み上げるだけでは通じない、一癖も二癖もあるマル秘交渉現場の裏側を明らかにする!
V逸した巨人は投手陣の再建に躍起だ。今季シーズンを通じてローテに定着したのは菅野智之(27)と田口麗斗(21)のみ。即戦力投手獲得が急務な巨人は11月2日、日本ハムの吉川光夫(28)、石川慎吾(23)をトレードで獲得した。吉川は12年にキャリアハイの14勝を上げ、今季までローテの一角を担ってきた。
「編成はすでに層の薄い左の先発として期待し、10勝はできるとソロバンをはじいていますが、好調が長続きしなかったように、メンタルの弱さが懸念されます。栗山英樹監督(55)だからこそ、入団から芽が出なかった吉川を再生させることに成功したんです。采配面、投手起用でそれぞれ力になれなかった村田真一ヘッドコーチ(52)、尾花高夫投手コーチ(59)を残留させ、自分が動かなくて済むような環境を望んでいる高橋由伸監督(41)の下で、はたして高望みするのはいかがなものか。球団内からも『過剰に期待して大丈夫か』との声が出ている」(球団関係者)
しかも巨人が放出したのは大田泰示(26)と公文克彦(24)。大田は“松井秀喜の後継者”と、首脳陣のみならずファンからも待望されてきた。トレード発表時には衝撃が走ったが、以前からトレード要員だったとも言われている。
「かつて、まだここまで開花する前のDeNA・筒香嘉智(24)獲りをもくろんで失敗したことがあり、広島・安部友裕(27)とのトレードを画策したこともあったといいます。今回は巨人が吉川欲しさで持ちかけ、日本ハムの指名で大田放出となった。最優秀防御率のタイトルを獲ったこともある吉川の実績が目立ち、“格差トレード”とも言われましたが、大田に潜在能力があるのは間違いない。吉川の活躍も未知数なだけに、スイッチが入れば大田が大成して泣きを見る可能性もあります。球団内からも『育てきれなかったのが問題だ』との嘆き節が聞こえてくる」(前出・球団関係者)
かつての「欲しい欲しい病」を想起させるがごとく、巨人はめったやたらな補強の手を緩めない。FA交渉解禁日である11月11日午前中には、速攻でソフトバンク森福允彦(30)と交渉。高橋監督から「来年の優勝に力を貸してほしい」とラブコールを受けた森福が、「はい」と答えた様子が明かされている。だが、“解禁日内定”に至るまで、球団は“身体検査”に奔走していたというのだ。
「13年2月、森福はWBC合宿で訪れた宮崎のキャバクラで美女をお持ち帰りしたことが報じられた。実はそれだけではなく、その1年後に宮崎の別のキャバクラを舞台に、もっと派手に暴れてひと騒動になったというんです。一部では知られた話で、週刊誌が狙っているとの噂もあり、巨人移籍で情報が公になるとも言われている。巨人内部でもその情報をつかんでいる関係者はいて、『まさか編成は把握してないのか』とこぼしていた」(球界関係者)
野球賭博で失墜した名声に、泥を塗り重ねることだけは避けたいところだが──。