7月22日、ソフトバンクのスタンリッジ投手がヒーローインタビュー後、スタンドのファンに初めて第2子となるケインちゃんを紹介した。ケインちゃんは養子として迎え入れた日本人の子供で、その微笑ましい様子は大きな反響を呼んだ。
3人の養子を含む6人の子供を育てる女優、アンジェリーナ・ジョリーの例を挙げるまでもなく、欧米では養子縁組は珍しいことではない。アメリカでは13年に成立した外国籍の子どもの市民権やアメリカ国籍の取得などの制度を改定した「Family First Act」によって養子縁組がさらに盛んになり、14年には6441人が養子縁組したという。
一方、日本では年間およそ400件。6組に1組のカップルが不妊に悩み、子供が欲しいと切望しているのに、望まない妊娠や貧困等、事情があって親元で育てることができない子どもの85%が「児童養護施設」に入らざるを得ないのが現状だ。もちろん、児童擁護施設でも温かい保護を受けられる体制が整っているとはいえ、施設では親子の1対1の関係など一般的な家庭生活の基本を学ぶことができない。さらに、18歳で施設を出なければならないため、自立する力がつかないうちに社会に放り出されて困るというケースもある。
とはいえ、日本でも民間団体の努力が実り、養子縁組の件数はこの5年で約6倍になっている。欧米では施設ではなく、養子縁組が児童擁護の柱だ。日本も「養子縁組」が当たり前の選択肢の1つになる日が来るかもしれない。
(大門はな)