この作品を鑑賞したベテラン芸能ジャーナリストの沖直人氏は、入浴シーンに別の感慨を覚えたという。
「梨園のお嬢様という清楚なイメージがありながら、出るところは出ているメリハリのあるスタイル。デビュー時に『清純性』と『色香』を併せ持つ女優との印象を持ったのですが、その印象のまま体当たりの演技を見せ続けている。その証左と言えるのが入浴シーン。独身時代の20代、人妻になった30代、そして母親となった40代になっても挑んでくれた。各世代で入浴シーンを見てきた者としては『ラストレター』は、まさに感涙モノでした」
20代の入浴シーンは、ドラマ「ラブジェネレーション」(97年、フジテレビ系)で見せている。デビュー4年目、20歳の若さだった。
「藤原紀香(48)とともに温泉に入るシーンなのですが、テレビということもあり、肌の露出は格段に少ないものの、水をはじくようなピチピチと若い張りのある肌が実に健康的でした。この快演が松本幸四郎(現・松本白鸚)の娘で『親の七光り』というイメージを打ち砕いたのです」(沖氏)
いざ芝居となれば、裸になることもいとわない。その役者魂はむしろ親譲りだったのかもしれない。それはギタリストの佐橋佳幸と結婚した翌年にも見せつけられる。映画「K-20 怪人二十面相・伝」(08年、東宝)で松は30代の裸体をさらしたのだ。この時の脱ぎっぷりを映画評論家・秋本鉄次氏が絶賛する。
「長屋のような場所でドラム缶風呂に松が入っています。そこをのぞかれるというシーンでしたが、いかんせん泡風呂で、裸は全然見えない。ところが、松は湯船から立ち上がって、みごとなバックヌードを披露したんです。ムダな肉がまったくついていないキレイな背中で、人妻とは思えないほどの色気を感じさせました」
このシーンで代役を立てる構想もあったというが、
「松みずから拒否して、現場で堂々と脱いでみせたそうです。むしろ男性スタッフのほうが遠慮して、全員が松の背後に回ったという逸話を残しています」(芸能記者)
さらに、翌09年に公開された映画「ヴィヨンの妻」(東宝)でも、入浴シーンを演じた。
「この作品で松は飲み屋の女を演じました。入浴シーンもさることながら、ヒップラインにソソるものがありました。和服姿でムチっとしたボリュームが強調され、すばらしい仕上がりでした。その後も、ヒップがどアップで映し出された作品に出演。ますますナマ尻を拝みたいと思っていたところに、映画『夢売るふたり』(12年、アスミック・エース)でヘアが見えたとザワつかせたオナニーシーンを披露。今回、再び入浴シーンを演じたということは、産後も自分の体に自信があるということ。今後も期待できますね」(秋本氏)