T-岡田(32)が見事な快音を飛ばした。オリックス・バッファローズの春季キャンプ(宮崎市清武総合運動公園・SOKKENスタジアム)で行われた紅白戦に出場したのは去る2月9日。榊原翼(21)の投じた失投気味の高めのストレートをライトスタンドまで運んだのだ。
今年初の実戦で結果を残した格好だが、熾烈なレギュラー争いは継続中だ。
「今年は、メジャー通算282本塁打のアダム・ジョーンズ(34)が入団しました。ファースト、レフト、指名打者のいずれかでの起用が濃厚です。さらに、同じく新加入のアデルリン・ロドリゲス(28)や昨季途中に金銭トレードで加入したモヤ(28)も同様のポジションを主戦場としています。外国人枠の兼ね合いはありますが、ポジションのかぶるT-岡田は、彼らを上回るアピールを続けないと昨季以上に出場機会を失いかねません」(スポーツ紙記者)
昨季の1軍での出場試合は、わずか20試合。シーズンのほとんどを2軍で暮らした。本塁打も17年に31本を放ったのを最後に、18年13本、19年1本と、かつて本塁打王を獲得した打棒は年々下降線をたどっていた。今シーズンは、メジャーの大物を含む助っ人3人とのレギュラー争いになるため、昨季以上に厳しいレギュラー争いが予想されている。そんな苦境を打開するべく、今オフは武者修行に励んだ。
「12月末までプエルトリコでウインターリーグに参加していました。22試合に出場して打率こそ2割と確実性を欠きましたが、本塁打を4本、9打点と一定の結果を残しました」(前出・スポーツ紙記者)
オフから休みなく、春季キャンプに臨んだ結果が如実に表れたわけだが、ベテランの身体をいたわる声もチラホラ。
「調子のピークが開幕まで持つかどうか。30代の選手がウインターリーグに参加することは異例中の異例。レギュラー獲得に必死になりすぎて、シーズン前にバテなければいいのですが…」(前出・スポーツ紙記者)
背水の陣とはいえ、いささか飛ばしすぎではないか!?日本人野手では、キャッチャーの山崎勝己(37)に次いで2番目に高齢のT-岡田。故障にはくれぐれも気をつけていただきたいところだ。