花粉シーズンが到来。耳鼻科を受診しなければ‥‥と慌てている人もいるだろう。
近年、スギ花粉症の患者数が落ち着いてきている一方で、ヒノキ花粉症の患者数は年々増加している。ヒノキ科はスギ花粉と共通の抗原性があるために、スギ花粉症がある人はヒノキの花粉にも注意が必要なのだ。
日本気象協会の予測によると、スギ花粉のピークは、東京では2月下旬から3月下旬だが、ヒノキ花粉のピークは4月上旬から下旬まで。長期の対策が肝心だ。
気になるトピックは、昨年8月、健康保険組合連合会が「花粉症治療薬の一部を健康保険の適用対象外にするべき」という提言を発表したこと。急増する医療費抑制のため、医療機関で処方される花粉症のうち、アレグラやアレジオンなどと市販薬(スイッチOTC医薬品)で代用できる薬は、保険適用外にしようとしているのだが、現状では何も決まっていない。
花粉症対策で有効なのは、まず「花粉を浴びないこと」だ。花粉飛散量が特に多い「雨上がりで天気がよく、風が強い日」は外出を控えることが重要。外出する場合は、花粉が多く飛ぶ午後1時~3時頃はできるだけ避けたほうがベスト。さらに、マスクや帽子、メガネで花粉の侵入を防ぎ、帰宅したら上着についた花粉をしっかり払い落とそう。
家の中に花粉を持ち込まない状況を作るくふうも大切だ。例えば、コートやカバンなどは寝室に持ち込まず、寝室の窓も開けないこと。空気清浄機や加湿器を利用するのも有効である。
万全の対策をしても発症した場合は緩和策として、体を冷やす食べ物や飲み物を摂らない、刺激物や脂っこい食べ物を避ける、水泳やヨガなどの適度な運動、お風呂にゆっくり入ることが有効になってくる。
田幸和歌子(たこう・わかこ):医療ライター、1973年、長野県生まれ。出版社、広告制作会社を経てフリーに。夕刊フジなどで健康・医療関係の取材・執筆を行うほか、エンタメ系記事の執筆も多数。主な著書に「大切なことはみんな朝ドラが教えてくれた」(太田出版)など。