そうした自我を貫く時は、誰が相手でもひるまない。
「主演した『江』の撮影現場で大先輩の宮沢りえ(46)や鈴木保奈美(53)にいきなりタメ口で話しかけて空気を凍りつかせたこともあります。さらには17年、亀梨和也(34)主演のドラマ『ボク、運命の人です。』(日テレ系)のキャスティングを巡り、当初ヒロイン役に内定していたものの、所属事務所の説得もむなしくかたくなに固辞して、急遽代役を立てる事態になったことも‥‥」(スポーツ紙芸能デスク)
トラブル、武勇伝が尽きない上野だが、所属事務所関係者はこうフォローする。
「上野に関するネガティブな報道については当時、かなり頭を痛めましたが、結果的には彼女の高いプロ意識の表れと言うしかないですね。一部メディアの取材に対する厳しいスタンスは彼女の作品にかける思いの強さが反映された格好で、『なんで作品と関係のない私生活の質問なんかするの!?』という純粋な怒り。自身が演じる役に対するこだわりがかなり強い人ですから」
そして先輩共演者へのタメ口についても、頑とした女優気質が関わっているという。
「ホメられた行為ではないですが、徹底的に役作りをし、その役に入り込む『憑依型』女優の上野ならではなんです。決して先輩を軽んじているわけでも、悪意があるわけでもありません。不器用ながらも真剣に作品に取り組む姿勢は、撮影でともに時を過ごすうち、共演者やスタッフの方々にご理解いただけることが少なくない。『江』では過去に共演歴があり、彼女の性格をよく知る大竹しのぶさん(62)や岸谷五朗さん(55)が中心になって現場を盛り上げて、上野を支えてくれました。もっとも、当の上野は収録の合間に親しげに馬に話しかけるなど、マイペースぶりは相変わらずでしたが、極端にクローズアップされるほど悪い子ではないですよ」(所属事務所関係者)
類いまれなる演技力と高いプロ意識を持つ反面、自分の感情に正直すぎるがゆえに、時には周囲とのあつれきが取り沙汰されてきた。だが、近年はそのまっすぐすぎるスタンスにも変化が見られるようだ。