1月期ドラマで視聴率ナンバーワンに躍り出た「テセウスの船」(TBS系)で、女優としての存在感が増している。かつてはその演技力が高く評価される一方で、天然ぶりやワガママぶりでも話題を振りまいた天才女優はいかに覚醒したのか──。
2月23日に放送された「テセウスの船」は第6話にして、今期民放ドラマでトップとなる視聴率13.2%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)を記録した。本命と目されていた、天海祐希(52)主演の医療ドラマ「トップナイフ-天才脳外科医の条件-」(日本テレビ系)を抜き去ったのだ。
どうやら特別出演の上野樹里(33)が主演・竹内涼真(26)の演技を食っているとの評判で、「新・視聴率女王」とする声まで聞こえてくるのである。テレビ誌ライターが言う。
「上野の演技が光っていますね。冒頭では竹内演じる主人公の妻として登場し、主人公がタイムスリップしたあとは週刊誌記者役で再登場する。トリッキーなストーリー設定の中、1人2役をみごとに演じて物語に説得力を持たせるとともに、迫真の演技で視聴者を魅了しています」
上野は16年の結婚以来、活動が縮小傾向にあったが、昨年7月、「監察医 朝顔」(フジテレビ系)で、代表作「のだめカンタービレ」(フジ系)以来13年ぶりに月9ドラマに返り咲き、初の月9単独主演ともなった。
東日本大震災で母親が行方不明になって以来、刑事の父親と2人暮らしをする、上野扮する新米法医学者の活躍を描いた同ドラマは全11話の平均視聴率が12.6%と好調をキープし、みごとに主演の務めを果たした。
「近年は各局ともドラマの視聴率で苦戦を強いられ、特にフジの月9の凋落ぶりは広く知られています。そんな中でこの数字は大健闘です。局サイドもかなり喜んでいて、すでに上野サイドに続編を打診して、今秋にも同じ月9枠で放送されると言われています」(テレビ誌ライター)
上野といえば、03年に放送され、石原さとみ(33)がヒロインを演じたNHKの朝の連続テレビ小説「てるてる家族」での演技が高い評価を受けて、先の「のだめ」で一気に人気女優の仲間入り。その後、08年に長澤まさみ(32)主演の「ラスト・フレンズ」(フジ系)で性同一性障害を持つモトクロス選手という難役を好演し、11年放送のNHK大河ドラマ「江~姫たちの戦国~」での大河主演にまで上り詰めた。
10代の頃から順風満帆な女優人生を歩んできた印象もあるが、その過程ではたびたび天然ぶりやワガママぶり、扱いづらさがメディアをにぎわせている。
スポーツ紙芸能デスクが明かす。
「上野のプッツンぶりが一躍業界で有名になったのは映画の会見での『記者捕獲未遂騒動』です。当時、オリエンタルラジオの藤森慎吾(36)との交際が取り沙汰されていたのですが、記者から『交際は順調?』と振られるとブチ切れた。現場にいたスタッフに、質問をした記者を捕まえてつまみ出すよう要請したんです。また、『のだめ』劇場版の取材会見の際も当時、吉高由里子(31)との熱愛が報じられていた共演の玉木宏(40)にその質問がぶつけられると、露骨に不快な態度を示して現場を凍りつかせました」