各業界が新型コロナウイルスの感染防止に頭を悩ませる中、テレビ局も対応に追われていた。
民放のテレビマンはこう嘆く。
「ドラマ撮影は病院ロケの使用がNGになったり、出演者やスタッフ、エキストラも撮影の合間はマスクを着用するなど、異様な光景が広がっています。バラエティ番組も収録ができずに、総集編で乗り切るケースも増えてきました」
思いがけない事態に、NHKも対策をとり始めたという。NHK局員はこう話す。
「一斉メールが送られてきて、3月中旬からテレビ局に入る時は、入り口で体温を測ることが義務付けられました。37.5度以上の熱があれば、そのまま自宅待機か、療養することになったんです」
NHKがここまで厳しくすることを決めたのは、ある事情も関係していた。前出のNHK局員が続ける。
「今のところ日程通り開催が予定されている東京五輪の期間中は、大河ドラマと朝ドラ以外のドラマで使用している撮影機材は、競技用の撮影に回すことになっています。そのため、春ドラマだけではなく、今のうちから夏ドラマも並行して撮影を始めているんです。もしこのタイミングで1人でもコロナウイルスに感染したら撮影は中断、スケジュールが大幅に崩れてしまうので、開幕までに最終話をとれなくなることも考えられるのです」
放送予定日をズラすのも難しく、新型ウイルスパニックに神経を尖らせる日々は続きそうだ。