チームを率いる星野監督はどうか。今季に入って、選手に対する“鉄拳制裁”や“恫喝現場”はすっかり見かけられなくなった。
前出のスポーツライターが話す。
「昨季は、ヘッドコーチを務めていた盟友の田淵幸一氏(66)と一軍打撃コーチだった大久保博元氏(46)が対立してベンチの雰囲気が悪化。そこで田淵さんが辞め、デーブが二軍監督になった。雰囲気の悪さは解消されたが、話し相手の田淵さんがいなくなって、明らかに星野さんの口数が減りました」
それだけではない。前出の楽天関係者はこう指摘する。
「あるベテラン選手は、『最近、星野さんがカッとなって瞬間的に手や足が出ることが少なくなった』と話していた。6月27日の対西武戦での乱闘シーンでも、怒りのあまり渡辺久信監督(47)の胸ぐらをつかみに行こうとしたが、スピードが遅く、みごとにすかされていた。『以前の瞬間湯沸かし器のような瞬発力がなくなっている。監督も年を取ったってことですかね』と、選手も感慨深げでした」
もはや、かつての星野監督の専売特許だった「怒りのパフォーマンス」は見られないということなのか。
さらにこんな話もある。
「星野監督が“今季で勇退”という情報が流れ、『やっと鉄拳制裁から解放される』とホッとしている選手がいる一方、『最後なら監督を男にしよう』と考える選手もいる。いずれにせよ、かつてのピリピリした緊張感漂う雰囲気から一転、今季は選手たちがノビノビと取り組んでいる。星野監督自身も、細かい戦術や采配はコーチ陣に任せ、継投だけを自分で決めていて、その継投策がみごとに的中しています」(前出・楽天関係者)
これに応えるように、若手選手が奮起し、成績を残しているのも今シーズンの好調の理由の一つだ。
中でもパ・リーグでは、55年ぶりとなる新人開幕投手を務め、今季7勝(7月10日現在)をあげている則本昂大(22)は、プレッシャーをものともしないほどメンタルが強いという。
「先輩たちが食事に誘うと、ついてくるのはいいですが、ルーキーにもかかわらず、遠慮せずにガンガン注文するそうです。そのくせ、お酒も食事も自分が定めた一定量になると『もう、自分は結構です。帰ります』と、二次会は断固拒否。周囲が驚くマイペースぶりは、投球と共通しています」(前出・スポーツライター)