過去との決別──。新たなコーチ陣を迎え入れる「超変革」こそが阪神大改革の第一歩なのである。だがこの改革には、ある人物の影が見え隠れしていると、スポーツライターは話すのだ。
「金本監督の恩師といえば阪神に引き入れてくれた星野仙一氏(68)。阪神監督時代の星野氏は総勢22人もの選手を一挙に放出し、9人の選手を他球団から獲得するなど、『血の入れ替え』を行った。その9人のうちの1人が金本監督でした。かつての恩師の方針を意識するのは自然のことです」
金本監督がトークショーで語った阪神の体質への物言いは、まさに星野流へ転換する口火の一つ。事実、金本監督は組閣作業中、緘口令を敷いて情報漏洩阻止を徹底した。先のトークショー参加ファンが言う。
「司会者が『新一軍打撃コーチに決定していた片岡篤史さんは金本さんから入閣の連絡が来ていても、外に一切漏らさなかった』と言っていました。ただ、金本さんは『(オファーを出してから)片岡はあまりにも記者からの電話に出ないから、逆に怪しまれてバレてたみたい』と言って会場を沸かせていました」
だが、この情報ガード作戦も、
「現時点で球団の体質そのものは変わっていない。はっきり言って、情報は他球団に比べてはるかに流れっぱなし。まぁ、トークショーでは緘口令だと言いながら、実際は金本監督自身が記者にリップサービスしていたそうですけど(笑)」(球団関係者)
トークショーでは、コーチ人事にまつわる裏話も明かされた。今季引退後に入閣した平野恵一二軍守備走塁コーチ(36)のことである。
さるテレビ局が専属解説者のオファーを出したことで、金本監督が電話をかけて「絶対に専属のほうがええから解説をやれ」と言うと「わかりました! 先輩にやれと言われたらイエスしかありません」と答えたという。が、その3日後に「平野、コーチやれ」と言うと「わかりました!」と。
さらには、こんな過激な暴露話も。
「僕が選手時代、他のコーチの悪口を言うコーチもいた。選手を呼んで『あの作戦、どう思う? バカだよなー。わかってねぇなー』と。誰かとは言えないけど」
一方、11月1日から高知県安芸市で行われた秋季キャンプでは続々とサプライズを演出するなど、早くも「鉄人流」を前面に押し出している。