松田聖子のデビューで幕を開けた「80年代アイドル」は、百花繚乱のにぎわいを見せた。ソロだけでなく、グループも数多く誕生したが、妖艶な逸材もまた多く輩出した。
元カレとシーツにくるまってタバコを吸う姿─あまりにも有名な「ニャンニャン事件」で世間を騒がせたのは高部知子だ。日本中に名前が知られたのは、萩本欽一が手がけた「わらべ」の一員としてだった。
デビュー曲「めだかの兄妹」(82年)が大ヒットしたものの、高部は事件の影響でグループを脱退。そして88年公開の「姐御」(東映)では、驚きのベッドシーンを見せた。映画ライター・松井修氏によれば、若いヤクザ(石橋保)の情婦役で、ベランダで洗濯物を干している時に上着をたくし上げられる。そして意外に豊かなバストを出す場面はあまりに衝撃的だったという。その後も、バストをガラス窓に押しつけられての立った姿での交わりがあり、「『わらべ』当時には想像もしなかった」(松井氏)隠れ巨胸だったという。
81年にデビューした「パンジー」のセンター・北原佐和子は、解散後に女優へ転向。群を抜く美貌を持ちながら、大胆なベッドシーンもいとわなかった。
その真骨頂は、近藤真彦とのベッドシーンを披露した「極東黒社会」(93年、東映)だ。松井氏が続ける。
「ともするとイヤイヤ脱いでいると思えてしまう元アイドルがいますが、北原はそれがない、みごとな脱ぎっぷりです」
宙づりでムチを打たれた末に暴行されるというハードな場面も、
「堂々と演じていた。さらにマッチとのカラミも、80年代アイドル同士の熱のこもったものでした」(松井氏)
同年の別の作品では、5分以上のカラミという長丁場もこなす一方、テレビの2時間ドラマなどでも、息長く活動を重ねた。
84年にデビューした「少女隊」のレイコこと安原麗子は、名作をリメイクした濡れ場に挑んだ。美保純の出世作をよみがえらせた「新・ピンクのカーテン」(91年、ジャパンホームビデオ)がそれだ。
「思ったより脱ぎのシーンが多く、しかも悲壮感なく明るく演じていたので驚きました。残念ながら『少女隊』は、今の『AKB48』などに比べると、大々的な売り出しのわりに成功はしなかったけど、脱ぐことに関しては積極的に取り組んでいましたね」(松井氏)
松井氏によれば、長身の藍田美豊も、ヘア写真集を出して「高い評価を受けた」という。
おニャン子の夢をもう一度と売り出されたのが、89年デビューの「CoCo」である。永作博美がいた「ribbon」と人気を競ったが、両方のグループを合わせて唯一、フル脱ぎしたのがCoCoの大野幹代だ。
大野は167センチの長身を生かし、人気シリーズの「Zero WOMAN 消せない記憶」(97年、マクザム)で脱ぎ姿とアクションを同時に見せる。
「刑事としての仕事を終え、自宅でリラックスするシーン。胸はさほど大きくないですが、バックショットで映るヒップはツンと上を向き、ウエストも締まっていて見応えは十分。カラミは期待外れでしたが、それでも、頑張ったほうでしょう」(松井氏)
同じメンバーの三浦理恵子は、全脱ぎこそないが、甘いアエギ声の騎乗位をドラマ「特命係長 只野仁」(03~12年、テレビ朝日系)シリーズで何度も披露した。
80年代最後の年にレコード大賞に輝いた「Wink」のひとり鈴木早智子の場合も意外だった。97年に初主演した「ロマンティックマニア」(ケイエスエス)で、初めてのカラミを見せたが消化不良に終わる。
「ネームバリューこそあるが、本人の意欲がまるで見えないし、体も貧弱そのもの」(松井氏)
ただし、09年には芸能人専門の艶ビデオメーカー・MUTEKIから作品をリリースし、一糸まとわぬ姿で往年のファンを驚嘆させた。