強豪相手にはまったく歯が立たないサッカー日本代表。ところが、当のアルベルト・ザッケローニ監督(60)は「私のノルマはW杯優勝ではない」と、どこ吹く風。それもそのはず、ザックの関心は別のところにあるようで…。
6月のコンフェデレーションカップでの3戦全敗に続き、8月14日のウルグアイ戦(キリンカップ)でも2‐4で完敗し、ベストメンバーで臨んだ直近では4戦全敗13失点と散々な成績に終わったサッカー日本代表。普通ならば監督の責任問題になるところだが、日本ではそんなアクションは起きない。それをいいことにザッケローニ監督自身も会見で、
「私のノルマはW杯出場と強豪国との差を詰めることで、W杯優勝のリクエストは今のところ受けていない」
と開き直る始末。これに対してサッカー協会関係者は声を潜めてこう話す。
「監督は、本田や長友が口にしている優勝はもちろん、ベスト8ですら狙っていない。違う言い方をすれば、本気で考えた末に『ベスト16、決勝トーナメント進出』が妥当と考えている。ですから、これまでの3年間、新戦力を試すよりも同じメンバーでコンビネーションを高めることに注力して来たのです」
さらに、ザッケローニ監督のチャレンジ精神をそぐ要因がピッチ外にある、と話すのは広告代理店関係者だ。
「ザックとの契約金はユーロ建てで日本円にして年俸2億円と言われています。昨年は1ユーロ=100円を切っていましたが、高騰した現在は1ユーロ=130円戦後になり、2億円が2億6000万円に跳ね上がっている。還暦を過ぎているザックは『日本で十分稼いだから、あとはイタリアに帰ってクラブの監督が出来ればいい』と漏らしていると聞きます」
人を代えるのか、人が変わるのか。トップの責任が、いま問われている。