7月10日時点で監督として1035勝。巨人の監督としてはこれまで2位だった「ミスタージャイアンツ」こと長嶋茂雄終身名誉監督(84)を追い抜き、今シーズン中にはV9達成の川上哲治氏が打ち立てた球団記録1066勝の更新も確実視される原辰徳監督(61)。
しかし、その手腕については、すでに鬼籍に入った野村克也氏や星野仙一氏、あるいはライバル球団でしのぎを削った落合博満氏らに比べて評価されてきたとは言い難い。
「金満球団で戦力がそろった巨人だから勝てるんだ」
─アンチ巨人ならずとも、そんな声を聴いたことは少なくないだろう。その言に異を唱えるのは、プロ野球解説者の江本孟紀氏である。
「アホなこと言っちゃいかん、と。昨季、原監督が復帰した巨人はリーグ優勝しましたが、他球団よりも戦力的に劣っていたうえに、頼みの綱のエース・菅野も負傷リタイヤを繰り返していたじゃないですか。私は現在の12球団の監督の中でも、唯一原監督だけが“名将”と呼べる存在だと思っています」
7月14日発売の週刊アサヒ芸能7月23日号では、原監督の手腕を知る人物の証言をたっぷりと紹介。また江本氏の近刊「監督 原辰徳研究 この『名将の器』に気付かなかった面々へ」(徳間書店)で実施した対談から、原監督の今シーズンに臨む「ナマ肉声」もピックアップする。