福岡ダイエーホークス(現・福岡ソフトバンクホークス)で監督と選手の経験があり、また西武ライオンズにも選手として籍を置いていた秋山幸二氏。秋山氏と言えば西武ライオンズ時代、1986年の日本シリーズでは唯一となる第8戦で披露した「バック宙ホームイン」が印象深い。
これほどに派手で優雅なパフォーマンスは秋山氏の前にも後にも存在しないが、なぜこの〈バク宙ホームイン〉は生まれたのか…。その誕生秘話を秋山氏が明かす「番組」があった。
お笑いタレント、ローカルタレントのコンバット満のYouTubeチャンネル〈コンバット満チャンネル〉、7月1日投稿〈元ホークス監督・秋山幸二さんと野球トーク#2〉での事だ。
85年、86年と連続して日本シリーズに進出した当時、常勝球団の西武ライオンズ。85年の阪神タイガース戦では2勝4敗で苦杯を嘗め、86年の広島カープ戦ではなんとしても日本一をと意気込んだシリーズであったが、3敗1分けと瞬く間に劣勢を強いられた西武ライオンズ。
当時現役投手だった東尾修氏が「遊び感覚で伸び伸びやろう」と、前向きの発言をすると、そこからまさかの3連勝。しかし、それまで明るかったベンチの雰囲気がイーブンに戻した事でふたたび日本一のプレッシャーがかかり、緊張から静かになったと秋山氏は振り返った。もともと身体能力の高い秋山氏はふだんからチーム内ではバク宙を披露していたそうだが、もしホームランを打ってバク宙したら盛り上がるかな…そう考え、実際にホームランを放ち、「バク宙ホームイン」を世間に初披露、見事日本一に輝いた過去を明かしたのだった。
ホームランのたびに披露していたかに思える秋山氏の〈バク宙ホームイン〉だが、現役時代、日本シリーズでの4回を含む計5回のみである。当時はプロ野球ニュースや「珍プレー好プレー」といったテレビ番組で繰り返し放送されていた背景から我々の記憶に焼き付いているのだろう。
それにしても、秋山氏に続くパフォーマンスの達人は今後プロ野球界に現れないだろうか?コロナ禍で暗くなっている昨今、秋山氏のような斬新かつ派手なパフォーマンスにも期待してしまう。
(ユーチューブライター・所ひで)