人気バラエティー番組「快傑えみちゃんねる」(関西テレビ)が7月24日に電撃終了した。「関西の女帝」の思惑どおりにはならず、「赤っ恥」をさらした暴走降板の真相とは──。
上沼恵美子(65)がMCを務めた同番組は放送回数1056回を数え、長寿番組として知られている。だが、その最終回はなんとも寂しく、感謝の気持ちがテロップで流れるだけのあっけない幕切れとなった。
番組終了の発端になったのは、「女性セブン」が報じたお笑いコンビのキングコング・梶原雄太(39)の降板騒動だ。
「収録中、準レギュラーの梶原に『公開説教』を行いました。あまりの罵倒にその部分はお蔵入り。その後、梶原は上沼のラジオ番組のレギュラーも含めて降板したのです」(芸能記者)
パワハラ批判が高まると、上沼はカンテレ側に歩み寄る姿勢を見せたという。
「『改めるところがあったら何でも言ってほしい』と提案してきたんです。だったらと、局側が現場スタッフから上がってきた本音をきっちり伝えると『そんなに言われるなら、すぐ辞めたるわ』とブチ切れ、降板することになりました」(芸能記者)
局側は9月末での「卒業」を提案したが、総集編や再放送も許さないまま、突然の打ち切りとなったのだ。しかしアッケない幕引きは、みずから番組を降りる形となった上沼にとって、実は大誤算だったようだ。上沼を知る関西のテレビマンはこう打ち明ける。
「ベテランスタッフは上沼さんのイエスマンばかり。逆らったら番組を外されると恐れて意見を言うこともできなかった。しかし今はコンプライアンスが厳しいので、若いスタッフはパワハラに我慢するつもりはなく、不満を上司に伝えたのです。話し合いの場は売り言葉に買い言葉になり、上沼さんはつい『辞める』と口走ってしまった。自分から“口撃”するのは得意でも、言い返されると意外と打たれ弱いんです。振り上げた拳の持って行き場がなく、引っ込みがつかなくなってしまったのでしょう」
ダチョウ倶楽部よろしく、手を上げたら「どうぞ、どうぞ」となり、上沼は狼狽。引き留めてくれるスタッフはいなかったようだ。
女帝のこれまでのふるまいに対し、スタッフが不満に思うのもしかたない面もあった。
「上沼さんが楽屋からスタジオに向かう際、スタッフが廊下に並んで頭を下げるのは当たり前。同じエレベーターに一緒に乗るのはNGだし、他の出演者にもトイレで顔を合わせないように『上沼さんがそろそろトイレに行くので、用を足す人は早く行ってください』と伝えていました」(テレビマン)
カンテレ側としても早期の打ち切りには頭を悩ませるものの、番組終了にホッと安堵しているという。
「視聴率はよくても、放送するたびに赤字だったんです。上沼さんのギャラは東京の番組に比べれば高くないのですが、東京から呼ぶゲストの経費がきつかった。新幹線の往復代、メイク、スタイリストらのギャラも込みで支払うので、制作費は完全に足が出ていた」(テレビマン)
キー局のフジテレビが大幅な広告減で経費削減を進める中、系列局のカンテレも赤字を減らさなければならず、降板劇は渡りに船だったのだろう。
7月27日に出演したABCラジオ「上沼恵美子のこころ晴天」で、上沼は「えみちゃんねる」に触れ、カンテレとの確執を否定したが、スタッフとの温度差は埋められそうになかった。
「番組終了の理由について、ソーシャルディスタンスでうまくツッコめなくなったことや、夫に『普通の話し合いの番組やな』と言われたなどいろいろと話していますが、カンテレ内では『(自分の好感度を上げるため)いい人キャンペーンが始まった』と揶揄されています」(テレビマン)
今さら後悔しても戻る場所はなさそうだ。