新型コロナウイルスの感染拡大を受け、大幅な撮影、放映のスケジュール変更が相次いだ、この春&夏ドラマ。だが、全体を見てみると「半沢直樹」(TBS系)の大ヒットを筆頭に、「私の家政夫ナギサさん」(同)、「ハケンの品格」(日本テレビ系)、「BG」(テレビ朝日系)、「MIU404」(TBS系)と、平均視聴率を二桁に乗せた作品も多かった。
「4月、7月の一斉スタートではなく、五月雨式のスタートになったこと、また外出自粛のステイホーム生活が、テレビ界、とくにドラマ業界にとっては追い風になったことは間違いありません」(テレビ雑誌編集者)
だがそんな中、イマイチ数字が伸びてこないのが、石原さとみが患者に寄り添う薬剤師を演じる「アンサング・シンデレラ」(フジテレビ系)だった。
「出演者らに大きな話題性もない中、9~10%台を行ったり来たりというのは、逆に大見当とも言えるかもしれませんが、『半沢直樹』らの話題に完全に埋もれてしまいました」(前出・テレビ雑誌編集者)
しかしながら、石原の演技への評価は決して低くない。
「特に、第5話。石原演じる葵みどりに信頼を寄せる患者が遺した形見を受け取り、声を上げて大粒の涙を流すシーンは、多くの視聴者の心を揺さぶりました。恋愛ドラマのヒロイン役ももちろん悪くありませんが、現在の石原は、こうした職業ものをきっちり演じられる、地に足のついた女優にしっかりと成長を遂げていますね」(芸能ライター)
最近の石原が「変わった」という声は、業界内からもよく聞こえてくる。
「33歳になった石原ですが、やはり30という年齢が大きな節目だったような気がします。医療ドラマ『アンナチュラル』(TBS系)をヒットさせ、『高嶺の花』(日本テレビ系)は石原が脚本家の野島伸司氏に直訴して制作された作品。明らかに仕事に取り組む姿勢が変わりました」(ドラマ関係者)
そして同時に、彼女の恋愛観や人生観を大きく変える、数々のオトコたちとの出会いと別れが石原を大きく変えたようだ。
「石原の恋愛遍歴を振り返えれば、初ロマンスの相手は、なんと所属事務所のマネージャーでした。03年のNHK朝ドラ『てるてる家族』でヒロインを務め上げ、その後、女優として着実に成長。努力の甲斐あって、フジ『N’sあおい』でドラマ初主演も務め、さぁ、これからというタイミングで飛び出したのが、休日に自動車教習所に通う石原を、サングラスにニット帽のマネジャーが迎えにきた、決定的シーンのスクープでした。ママチャリに二人乗りした姿は、ラブラブの若いカップルそのもの。大胆にも恵比寿のカフェでランチを楽しみながら、カラダを密着させて互いの携帯画面をのぞき込むような姿まで捉えられていましたね。当然のことながら事務所は激怒。マネージャーは担当を外れることとなり、この恋愛は終わっています」(芸能記者)
当時の石原は、手入れが不十分で生やし放題の太い眉毛がトレードマーク。決して高くなさそうなオシャレや美容への関心度から、まだオトコにもそこまで関心がないのではとも思われていただけに、ファンを大いに驚かせることとなったのだ。(露口正義)