森祇昌氏と言えば、巨人で「V9時代」の正捕手を務めた実績もさることながら、西武ライオンズにおいては監督として在任した9年間で8度のリーグ優勝。6度の日本一に導き、西武を常勝球団と印象付けた名将中の名将である。
その強さの秘密とはいったい何だったのだろうか?森監督の元でチームリーダーとして活躍、史上4人目の1億円プレイヤーになったことでも有名な石毛宏典氏が、みずからのYouTubeチャンネル〈石毛宏典TV〉の9月18日投稿回で、その「秘密」を明かしていた。
1981年にプロデビューした石毛氏が自身にとって集大成だと語るゲームがあったという。それは88年、対中日ドラゴンズとの日本シリーズ、優勝を決めた第5戦のことだった。9回に石毛氏がホームランを放ち、同点に追いついて延長戦に突入。次の石毛氏の打席は清原和博氏がヒットでノーアウト1塁となったが、ここで石毛氏はベンチからの指示で送りバントを成功させる。そして、伊藤勤氏がライトオーバーの決勝タイムリーで日本一に輝いたのだった。
優勝後の記者会見ではホームラン後の送りバント指示に不信は抱かなかったのかと問われ、石毛氏は、
「西武ライオンズの試合運びは、森采配はこういう野球です。バントは当たり前だと思ってました」
と平然と答えたそうだ。つまり、「監督と選手のコミュニケーションの高さ」が西武の強さだったと石毛氏は振り返ったのだった。
現在好調な巨人の原辰徳監督も、勝つことにこだわり、選手とのコミュニケーション能力に長けていると語られている。
他球団、強いては他の監督陣もこのあたりを強く意識する必要があるのではないだろうか…?
(ユーチューブライター・所ひで)