出口の見えないコロナ禍に「こんなはずじゃなかった」の思いを強くする芸能人は多いことだろう。特に気になるのは、今年の4月1日に歌手デビュー40周年を迎え、アニバーサリーイヤーを華々しく盛り上げる予定であった、永遠のアイドル・松田聖子のことである。
前回で分かったように、このコロナ禍による逆境も聖子には、大きなダメージではなく、来たる大爆発までの“タメ”の期間でしかなさそうだ。だが、そんな聖子にも唯一、弱点がある。娘の神田沙也加のことだ。
沙也加は、昨年12月に、俳優・村田充との離婚を発表している。
「沙也加は舞台で共演以来、大地真央を“ママ”と呼んで、実の母の聖子以上に慕っていると言われています。聖子のプロデュースのもと、SAYAKAとしてデビューしながら、現在の芸名を“神田”沙也加にしているのも、聖子よりも父親の神田正輝との関係性を重視しているあらわれでしょう。沙也加の結婚時にも聖子の存在はほとんどなく、離婚に対してもなんのリアクションもありませんでした。現在、2人はほとんど交流がないとされています」(芸能リポーター)
一時は“一卵性双生児”とも言われ、強い絆で結ばれていたはずの母娘に、何があったのか。
「かつての聖子の過保護ぶりは有名で、デビュー直前まで、沙也加は林間学校などで自宅を離れるのもイヤだったし、聖子がいないとリハーサルも行えないという状況でした」(音楽関係者)
だが、沙也加のデビュー後、加速度的に2人の関係は悪化していったというのだ。
「02年5月、沙也加はデビュー曲『ever since』を発売しています。国民的人気歌手の愛娘の待望のデビューということで、レコード会社は契約金に新人歌手としては破格の大枚を支払い、その時に向けて聖子との共演CM、雑誌グラビアと売り出しに全勢力を注ぎ、次世代のスーパーアイドルを誕生させるんだと、大いに盛り上げました」(前出・音楽関係者)
だが、フタを開けてみればオリコン最高順位は5位。ジャケットが異なる初回限定版もリリースされたが惨敗だった。
「担当者の肩の落としようは見ていてかわいそうになるくらいでした。同年の前期は、宇多田ヒカルや浜崎あゆみらのパワーが落ちはじめ、CDのミリオンヒットを飛ばした歌手が1人も出ておらず、音楽市場が冷え込みつつあった頃。沙也加にかける期待が大きかっただけに、関係者は一様に頭を抱えていましたね」(レコード会社関係者)
こうした結果に終わった第一の原因は聖子の口の出しすぎと言われ、それが母娘の亀裂につながったとされているのだが、後にその亀裂はさらなる広がりを見せるのだった。(露口正義)