23歳の時に大胆なベッドシーンを公開し、のちに演技についての評価は業界内で高まったものの、当時はまだ女優としては無名だった広瀬アリス。その後、バラエティー番組やドラマに八面六臂の活躍。今では連続ドラマには欠かせない「あげまん女優」として、人気は爆上がり中だ。
12月10日に放送された「七人の秘書」(テレビ朝日系/主演・木村文乃)は、最終回に16.7%で有終の美を飾ったばかり。そのほかにも、今年の冬ドラマ「トップナイフ」(日本テレビ系/主演・天海祐希)は全話平均11.3%、19年春ドラマ「ラジエーションハウス」(フジテレビ系/主演・窪田正孝)は全話平均12.2%、18年春ドラマ「正義のセ」(日テレ系/主演・吉高由里子)は9.8%と、いずれも好視聴率を記録している。アリスを知る制作スタッフはこう話す。
「アリスが2番手、3番手で出演するドラマは必ず数字がよくて、使いたがるプロデューサーや監督は多い。業界内で『隠れ視聴率女王』と呼ばれ、縁起がいいので毎回のようにキャスティングに名前が挙がります」
これまで「広瀬」といえば、妹の広瀬すずが15年に公開された映画「海街diary」(東宝/ギャガ)での高い演技力が評価され、第39回日本アカデミー賞新人俳優賞をはじめ、数多くの新人賞を総ナメ。翌年公開の「ちはやふる」(東宝)などで映画界の主役として活躍すると、19年にはNHK朝ドラの記念すべき100作目となる「なつぞら」の主演に抜擢された。
あっという間に売れっ子となり、アリスは「すずの姉」とぞんざいに扱われることも珍しくなかったが、最近は「逆転現象」が起き始めていた。芸能評論家の三杉武氏が解説する。
「これまで脇役でじっくり経験を積んできたことで、シリアスな役からコメディエンヌまで幅広く演じられるようになりました。事務所の育成方針でも、すずは元気で明るい女の子という正統派路線で売り出し、アリスはドラマだけではなくバラエティー番組にも積極的に出演させ、差別化を図ったそうです。それがここ数年でアリスにとっていい方向に進む一方、すずは18年に主演を飾ったドラマ『anone』(日テレ系)で一時、4%台まで落ちるなど視聴率が低迷。その後は『なつぞら』で盛り返しましたが、ほかにヒット作に恵まれない中、アリス人気が上昇していきました」
今やドラマに欠かせない存在に成長したアリスは「7人の秘書」の撮影現場で、ムードメーカーとしても重宝されていた。
「制作発表で共演者から天然ぶりを指摘されたアリスは、携帯を探しているというのに親に携帯で電話。『携帯がないんだけど』と相談する様子を見たスタッフから、すぐに『あるじゃない』とツッコまれたエピソードで笑わせていました。現場でもアリスの天然ボケを菜々緒がイジるのが定番で、和やかムードを作っていたそうです」(芸能記者)
今季ドラマの中でトップ視聴率を獲得したのは、現場のチームワークのよさも大きかったようだ。