今や日本を代表する女優に成長した綾瀬は、00年に「第25回ホリプロタレントスカウトキャラバン」で審査員特別賞を受賞し、翌年にドラマ「金田一少年の事件簿」(日本テレビ系)で女優デビューを飾る。それでも、のちに「ホリプロ三姉妹」と呼ばれる深田恭子(38)や石原さとみ(34)のように女優で花開くのはまだ先のこと。B88・W62・H92の早熟ボディを武器に、まずはグラビア活動を開始した。順風満帆なスタートとはいかず、16歳で上京するや早くも危機に直面する。芸能プロ関係者によれば、
「わずか半年で約8キロも激太りして、バラエティー番組『B.C.ビューティー・コロシアム』のダイエット企画に出演。目標体重まで痩せないと芸能界引退という厳しい条件を突きつけられた」
これを機に節制に努め、写真集やイメージDVDを発売。それでも売れないグラビアアイドルとしての下積み生活は続いた。しかもその中身はセクシー路線に傾き、02年に発売されたイメージDVD「treasure~たからもの。」(ポニーキャニオン)は、ファンの間で物議を醸すものだった。
「ホテルの部屋でTシャツにジャージ姿のまま椅子に座り語りかけるシーンで、なぜか野菜のナスを持っているんです。芸能界に入るまでの友達との秘話を独白する一方、手元は黒光りしたナスを優しく握ってナデ回したり、ヘタをソフトタッチで愛撫するかのようにイジるので、話が全然頭に入ってこないんです」(芸能記者)
巨乳グラビアの仕事が大半だったとはいえ、当時のおっぱい指数は「30」と低かった。思い描いていた芸能生活と違い、悩ましい日々を送っていたようだ。かつて綾瀬をインタビューした映画ライターはこう話す。
「不遇だったグラビア時代について、『大きいバストにコンプレックスがあって、水着の仕事が恥ずかしかった』と話していましたね」
転機が訪れたのは、04年に放送されたドラマ「世界の中心で、愛をさけぶ」(TBS系)でヒロインに抜擢されてからだった。最終話で19.1%を記録した大ヒットドラマで、ハマりすぎてDVD-BOXまで購入した芸能評論家の尾谷幸憲氏は「おっぱい前史」をこう述懐する。
「迫真の演技に引き込まれたのはもちろんのこと、綾瀬の衣装替えを楽しむ作品でもありました。セーラー服を見せたかと思えば、体操着で学校のグラウンドを爆走し、無人島では競泳水着まで披露。これで注目を集めると、翌年には歴代人気タレントが出演してきたポカリスエットのCMに起用され、若手女優として頭角を現すことになった」