それからの快進撃に時間はかからなかった。芸能ジャーナリストの平田昇二氏は言う。
「近年の若手女優で、若い頃から活躍していて成り上がったケースといえば、新垣結衣や二階堂ふみなどモデル上がりが大勢です。テレビ視聴者層の主流となる女性人気を取り込むため、アイドルやグラドルなどの出身者は男性に媚びを売っているという色眼鏡のかかったイメージで見られるためでしょう。その中で、どうしてもファン層が偏った地方アイドル出身の橋本の急成長は、非常に稀有な例であると思います」
かといって橋本は、アイドル時代の人気をそのまま現在にスライドさせたわけではない。
林氏が解説する。
「正直、福岡にいた頃は、グループ内でも目立った存在ではありませんでした。その後のセンセーショナルな売り出され方と、現在の活躍ぶりからは想像もつかないかもしれませんが、アイドルの歌って踊る才能と、演技やCMで光る才能は違うものなんです。かつてのダンス映像を見ても、彼女は決してヘタではありません。しかし、グループの中の1人として歌って踊るには絶世の美女すぎたんです。巷間言われる、クラスで3~4番目のルックスではなかった。完全に抜けているため、『応援したい』というファン心理の範疇に収まるアイドルではありませんでした。それが今は、ドラマやCMで求められているものと合致しているのです」
つまり女優というフィールドでこそ、彼女の真価は生きたというのである。
とはいえ、周囲がレールを敷いたから成功したという単純なものではないだろう。他でもない、橋本の類いまれなる素養がそれを実現させたというのだ。
「全ては、彼女のオヤジ転がしテクニックの巧みさだと思います。業界人のパーティーに参加した際も、彼女を支援する業界の長老たちを相手にして物怖じすることなく、実にフレンドリーに接している姿が目撃されています。つい最近では、所属事務所のスポンサーを務める年配の大物と会員制バーで親しく飲んでいると、半ばスキャンダルかのように報じられた。また、福田雄一監督が『銀魂』(ワーナー・ブラザース映画)や『今日から俺は!!』など、頻繁に橋本を自身の作品にキャスティングすることを訝る向きもありました。しかし、そんなことより、今や中年男性たちを籠絡する、したたかで天真爛漫な彼女のふるまいは業界で『パパ活』とまで呼ばれているんですから」(芸能プロ幹部)