長嶋茂雄氏が監督時代に生み出した言葉、「メークドラマ」。1996年、広島カープとの最大11.5ゲーム差を大逆転して巨人がリーグ優勝に輝き、見事、有言実行とばかりに長嶋監督は「メークドラマ」を成し遂げたのだった。
その「メークドラマ」の契機となったのは、7月9日の札幌円山球場で行われた対広島カープ戦だと言われている。2回2アウト、走者無しから怒涛の9者連続安打で一挙7得点、試合に勝利し巨人の快進撃が始まったのだ。
この試合で連続安打9人目の打者となった、元プロ野球選手の清水隆行氏が、お笑いタレントのレッド吉田らが司会を務めるYouTubeチャンネル「こちら野球放送席」の4月15日投稿回に出演。ルーキー年ながら、84安打、11本塁打、打率.293の活躍を見せた清水氏は、当時の長嶋監督のポジティブすぎる発言を明かしている。
「最終的には勝つからってずっと言ってました」と口癖のように長嶋監督は言っていたという清水氏。11.5ゲーム差がついたときにもその姿勢は変わらず、「本当の勝負はこれからだと、ずっとおっしゃってました」と加え、さらに3連戦で2連敗を喫しても、「今日勝たなければまずい」といったネガティブ発言ではなく、「今日勝てばどうってことないんだよ」とポジティブ発言。これにより、選手たちが気を楽にして試合に臨めたと清水氏は振り返ったのだった。
「最終的には勝つから」との発言は、選手を活気づけるためか、それともミスターの目には未来が映っていたのか? ぜひご本人にも真意を伺ってみたいものだ。
(ユーチューブライター・所ひで)