キックボクシング界の“神童”と呼ばれるRISE世界フェザー級王者の那須川天心といえば、来年3月にRISEでキックボクシング最後の試合を終えると、その後はプロボクシングへの転身が決まっている。そんな那須川が17日、自身のツイッターで呼びかけた内容に、ファンはもちろん、それ以外の人たちからも「男が上がった」「応援する」と称賛の声が上がっているという。
「那須川はキック引退まで2~4試合を行うことを予定していますが、ツイッターで思わず嘆くほど対戦相手がいないようですね。とにかくマッチメークに苦しんでいるようで、39戦全勝28KOの那須川サイドのオファーはことごとく断られるようなんです。それは格闘技の世界ではその昔から避けようのない強者の悩みですが、那須川の今回の呼びかけは異例でした。つまり、キック界の頂点に立つ那須川の名前を出し挑発したり対戦を熱望したりする選手はとても多いんです。彼の名前を出すだけで記事になりますからね。ところが、那須川いわく“僕と試合をしたいと言った人に片っ端からオファーしていますが全員断られました”とのこと。それもあってか怒りを込めていると思いますが“やる気の無い人は俺の名前出さないでください。格闘家と言う名前を借りて嘘をつくのをやめてください”と売名行為に使われることにウンザリという心境を吐露したんです」(スポーツライター)
那須川の現状報告にSNS上も「本人のいないところで威勢がいいくせにチキンな奴が多い」「これ、那須川選手は気の毒だなぁ」「きっと団体的な理由とか本人はやる気でもジムが止めるとかありそう」「挑発したくせに断ったヤツ恥ずかしくないの?」と格闘技ファンからの失望コメントだらけに。ただし、1つだけよいことがあったようだ…。今回の呼びかけで那須川の好感度がこれまで以上に爆上がりしている様子なのだ。
「もともと格闘家として誠実ですから好感度は高い那須川ですが、自分を売名行為に使った選手たち全員にオファーを断られたと報告しつつも、その逃げた(?)選手たちの名前をいっさい出してません。SNS上では『那須川も(断った相手の)名前を出してやればいいのに』という声が大量にありました。確かに相手の名前を出せば、世間の後押しを受けマッチメークもしやすくなる可能性もあります。でも、それを出さない那須川に『人として誠実』『真のチャンピオンだと思う』『本当に強い相手としか戦いたくない気持ちの表れだと思う』など、人間性の評価がうなぎ上りですね」(前出・スポーツライター)
実際は、同階級に相手になる選手がほとんどいないというのはキックファンも知るところ。この、試合すら組めない現状に、ボクシングファンからは「もっと早く転身したほうがいいのでは?」「明日からプロボクサーになっちゃえ!」という声も聞かれ始めているとか。来年3月まで最低でもあと2試合。本人は自身の好感度よりも、今はマッチメークできるのか否かを懸念しているに違いない。
(飯野さつき)