清純派女優として活躍した有森也実が激しいベッドシーンでイメージを一新させたのは、02年公開の「新・仁義の墓場」(大映)だった。有森はヤクザの内縁の妻役を演じる。殺人を犯した主人公が部屋を訪れる場面で、パジャマ姿の有森は「帰ってください」と拒むのだが、ズボンを脱がされて白いヒップをむき出しにされると、力ずくで股を開かされてしまう。かつてのイメージを思い浮かべるほどに、そのヒップ肌見せのギャップが艶めかしいのである。芸能ジャーナリストの平田昇二氏によれば、有森は同作に出演したあたりから路線を変更し、同年にはセミ脱ぎ写真集を発刊。「TAP 完全なる飼育」(13年/セディックインターナショナル)でも過激ベッドシーンに挑戦し、ついには「いぬむこいり」(17年/太秦)で、頭は犬、体は人間の犬男とのマッパ情交や小さいほうの排泄シーンまで披露するほどになったという。思えば、すべては、「仁義の墓場」での美ヒップ出しが「清純派女優からの卒業の証しだったのかもしれません」とも。
これに対し、そもそも抜群のプロポーションを誇った人気グラドルから、女優へ転身したのが佐藤江梨子だった。彼女の迫力ある爆ヒップが印象的なのは、07年公開の「腑抜けども、悲しみの愛を見せろ」(ファントム・フィルム)である。
「東京から都落ちして故郷に帰って来る女優崩れのはすっぱヒロインを演じる佐藤が、村外れの廃屋で男とまぐわいます」と話す映画評論家の秋本鉄次氏によれば、完脱ぎではないが、自慢の爆裂バストばかりだけでなく、「ヒップの充実ぶりもわかる映像なんです」とのことだ。肌着姿で、下の肌着から「はみ出さんばかりの」巨大ヒップが「そそります」という。
何の因果か、くしくも佐藤は“ヒップの小さな女の子”という意味の歌詞で歌われる「キューティーハニー」(04年/ワーナー・ブラザース映画)ではヒロインを務めたものだった。
それまで気づかなかったが、菅野美穂も美ヒップの潜在能力の高さを、07年公開の「さくらん」(アスミック・エース)で証明していた。映画評論家の前田有一氏によれば、馬乗り姿で上になる菅野を後ろから映している場面について、「布団の乱れ具合で結合部が見えないのは監督の美意識だと思いますが、男が異様に気持ちよさそうなんです」と話す。重力で潰されたヒップの肉感や割れ目をカメラがとらえ、「こんなに肉感的な体だったのかと感心」させられ、「グニグニと動いている」ヒップを見れば、男を絶頂に導いている様子が手に取るようにわかるんです」という。
今や2児の母となった菅野だが、日本を代表する売れっ子俳優をトリコにした秘訣がわかるようだ。