6月10日、巨人は、MLBのジャイアンツ傘下3Aサクラメントから自由契約となった山口俊と契約したことを発表した。山口は、2019年オフに巨人で初となるポスティングシステムでMLBに挑戦、トロント・ブルージェイズ入りを果たしたが、20年は2勝4敗、防御率は「8.06」と奮わず、今季もマイナー5試合で0勝3敗とMLBでは結果を残すことのないまま帰国となった。
原辰徳監督は「彼もかなり体力が余った状態で、ストレスもあるでしょうから、思い切って爆発してもらいたいね。先発の中に入ってくれれば」と期待を寄せているようだが、山口は17年、飲酒中に右手を負傷。泥酔状態で訪れた病院の出入り口を損壊し、警備員に暴行を加えた疑いで書類送検されたトラブルを起こしている。19年には最多勝などの活躍を見せる成績を残したとはいえ、そのトラブルを許容した巨人を横目にMLBに渡った行為を、「暴挙」に思っていたファンもいたかもしれない…。
巨人でも活躍した元プロ野球選手・大久保博元氏も、みずからのYouTubeチャンネル〈デーブ大久保チャンネル〉でこの件に触れた。同チャンネルの6月10日投稿回〈【山口投手巨人復帰】骨を埋める覚悟で巨人でプレーして欲しい〉で、山口のMLB挑戦について、「通常、いくら夢であったにしろ…」と疑問を抱くように話しながら、「この辺がね、僕ら野手とピッチャーの(性分の)“違い”があると思ってて」とも口にしている。
というのも、野手同士で宴席を囲むと、トップが頼んだお酒と同じ飲み物を他のメンバーも頼むものだが、投手陣と飲んだ際には、「宮本(和知)さんが『オレ、ビールにする』って言うと、水野(雄仁)さんが『ターキーロック』、斎藤雅樹さんが『紹興酒』…エッ?って…全員違うの頼んじゃうの!?」と驚きを表現しつつ、自分の世界観を持っているのがピッチャーであると、理解も示していた。
いずれにしろ、ファンが山口に期待しているのは、投壊寸前の巨人を立て直すべく、起爆剤となることだろう。戦前の予想を覆す活躍を期待したい。
(ユーチューブライター・所ひで)