努力とは無縁のように見え、天才かのように思えるミスタージャイアンツの愛称で親しまれている長嶋茂雄氏。しかし、それは長嶋氏の演出であり努力の人であったこと、そして、長嶋氏の現役最後の年である1974年に、その努力を静かに見守っていた意外な人物の名前が明かされる番組があった。
元プロ野球選手、楽天ゴールデンイーグルスでは監督経験もある大久保博元氏のYouTubeチャンネル〈デーブ大久保チャンネル〉、8月8日投稿回で、そのことを明かしたのはゲストで登場した、長嶋氏の長男でタレントとして活躍している長嶋一茂氏だ。
一茂氏によれば、74年の父・茂雄氏は在京の試合後にはすぐに帰宅。すると必ず地下室で素振りをしていたそうだ。それを静かに見守っていたのは、今年4月9日に他界した故・関根潤三氏だったという。
関根氏と言えば、近鉄バファローズなどで活躍後、65年に巨人に移籍、V9時代の初年度を経験して、同年限りで引退している。
70年には広島東洋カープの一軍打撃ヘッドコーチに就任しているが1年で辞任、その後、引退して監督となった長嶋氏の要請で75年に巨人のヘッドコーチを務めるまでは、どこにも属していなかったことになる。そんな長嶋氏の素振りを関根氏は黙って見守っていたと一茂氏は語るとともに、晩年ですらそれだけ努力していたことから、全盛期にはどれほど努力をしていたことかと「本当の努力を人に見せない」「スター像の演出をしてるでしょ」と父を称えたのだった。
どのような思いで長嶋氏の素振りを眺めていたのか…?長嶋氏との秘話を関根氏に訊ねてみたいものだが、それはもはや叶わない。しかしその片鱗だけでも、この回で紹介してくれた一茂氏に感謝すべきであろう。
(ユーチューブライター・所ひで)