「満塁男」の異名を取った元プロ野球選手の駒田徳広氏(巨人、横浜)だが、プロ通算13本で歴代5位の満塁ホームランを放っている。そんな駒田氏でも、1シーズンに決めた満塁ホームランの数は1本。
1シーズンに2本の満塁ホームランとなると、吉田勝豊氏、大杉勝男氏(いずれも故人)、張本勲氏、そしてもう1人、主に日本ハムファイターズで活躍した高代延博氏の4人のみである。高代氏は1978年にドラフト1位で日本ハムに入団。シーズン3年目となる81年、4月8日の対西武戦でのシーズン1号、6月20日の対阪急戦での2号と、ともに満塁ホームランをマークしたのだ。
その高代氏が、プロ野球のOB、1300人が所属している「プロ野球OBクラブ」のYouTubeチャンネル〈プロ野球OBクラブチャンネル〉の8月13日付け投稿回〈高代延博だけが知る、法政大の後輩「江川卓」〉に出演。法政大学4年時に野球部のキャプテンを務めた高代氏には、1年後輩に昭和の怪物と称された江川卓氏がいたが、その江川氏との大学での“紅白戦ガチ勝負”を振り返った。
江川氏は、よく手心を加えて投じることを知っている高代氏が、「1打席でいいから真剣勝負してくれ、頼む!」と懇願して臨んだ1打席目。1球目はあまりの速球に手が出ず、2球目は辛うじて真後ろにファール。そして、3球目に空振り三振といった結果…。
それでも後に江川氏は「当たったですね」と2球目のファールを褒めたのだそうで、それほど江川氏にとって渾身の真っすぐだったということ。
動画では、そんな江川氏からの高代氏に対する〈(高代氏は)ガッツも凄かったし、心構え、周囲をまとめる力も抜群だ。随分お世話になったし、高代さんを胴上げしたいと思って頑張っていました〉とのコメントが紹介される一幕も。
「ホンマかいな。だいぶ盛ってますね」と照れ笑いも見せた高代氏だったが、プロでのコーチ歴が長く、担当した球団も多かった高代氏は、やはり多くの人から慕われる人物であることをあらためて実感することができた。
(ユーチューブライター・所ひで)